「質」が大事！栄養士はやってる、太りにくい糖質の選び方
すっかり“糖質＝太る”というイメージが定着した感じがありますが、糖質を悪者と決めつけてしまうのはもったいないです。こだわるべきは、糖質の“量”ではなく、“質”であると管理栄養士である筆者は考えます。
今回は、筆者が実際に体験した摂取する糖質の“質”を変えることにより実感した変化をご紹介します。
■一口に糖質と言っても千差万別
糖質と言っても、種類によって身体への作用の仕方や性質が異なります。糖質は大きく分けると“単純糖質”と“複合糖質”があり、単純糖質の代表は白砂糖です。
白砂糖は99.9%が糖質で構成されている、まさに単純な糖質のかたまり。他の栄養素はほとんど含んでいません。他には清涼飲料水などに使われている“果糖ぶどう糖液糖”なども単純糖質にあたります。
一方、複合糖質にはごはんや芋などがあります。複合糖質の特徴は糖質以外の栄養素を複合的に含んでいることです。ビタミンやミネラル、食物繊維やファイトケミカルスといった栄養素が一緒に入っており、糖質の量は重量に対して約3割程度しかありません。
■単純糖質は血糖値を急に上げて、栄養不足になることも
ではこの違いがどういう影響を生むのでしょうか。まずひとつ目が血糖値の上がりやすさです。単純糖質は糖質の塊なので、摂取するとすぐに吸収されて一気に血糖値を上げます。これが肥満や生活習慣病の原因となります。
しかし、複合糖質は中に食物繊維などを含んでいる関係で、血糖値が緩やかに上っていき、それだけ身体に優しい食べものだと言えるのです。
さらに、摂取した糖質を分解するためにはビタミンB1をはじめとしたビタミンやミネラルが必要となります。単純糖質にはこういったものが含まれていないので、糖質がうまく代謝されない恐れがあります。
複合糖質では、食べものの中にこれらの栄養素を含んでいます。なので、その食べものを食べるだけで同時に微量栄養素もとることができます。
■実感！お米を未精製のものに変えて起きた身体の変化
もうひとつお話すると、同じお米でもさらに”未精製”のものに変えるとより血糖値は上がりにくく、栄養素は増えて健康的になります。わたしも家での食事は白米をやめて分搗き米を愛用しています。
（左から、白米、七分搗き米、五分搗き米、三分搗き米、玄米）
その効果は外食で白米を食べたときに感じます。食後にものすごく眠くなるのです。これは血糖値の急上昇が原因です。特に白米はあまり噛まないでも飲み込めてしまうので、これもよくありません。普段家で分搗き米のお米を食べているときはこのような眠気を感じることがありません。
いかがだったでしょうか。やみくもな糖質制限は効果どころか、逆に健康を損なう恐れもあり筆者はオススメできません。まずは単純糖質をとりすぎていないか、食生活を見直してみましょう。
【筆者略歴】
※ 圓尾和紀 ・・・ 管理栄養士。総合病院勤務を経て予防医療を志し、独立。和食素晴らしさを伝える活動と、“不自然な食べもの”にあふれた環境で、定期的に身体をリセットする目的からファスティングを取り入れた生活の提案を行う。カラダヨロコブログ。
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