入団会見での楽天・岸孝之【写真:編集部】

写真拡大

西武からFAの右腕が入団会見で熱い思い「悩んで悩んで決断」、「15勝はしたい」

 西武から海外フリーエージェント(FA)権を行使し、楽天に移籍することが決まった岸孝之投手が18日、仙台市内で入団会見を行った。立花陽三球団社長、星野仙一球団副会長が同席のもと、31歳の右腕は新天地への熱い思いを語った。

「長い間、悩んできて、悩んで悩んで決断して、この日を迎えられていることをホッとしています。東北、仙台を盛り上げたいと思って、こういう決断をしたので嬉しく思います」

 西武に10年間在籍した右腕は決断への苦悩を滲ませつつ、最終的な結論を下せたことに安堵の表情を浮かべた。

 報道陣から移籍の決め手を問われると、「野球を始めたのが、この仙台ですので、そこからプロに入るまでたくさんの人にお世話になり、ここまでこられた。成長した姿を見せたい。地元に恩返しをしたいなという強い思いがありました」と生まれ故郷への思いも大きかったことを明かした。

星野副会長の言葉も決め手に、「その言葉で前に進めた」

 また、同席した星野副会長は「長い間、西武のエースとして頑張ってきた。私にはわからない悩みがあったのではないか。電話を含め、悩んでいることを想像しながら1つ、1つ、もつれてはいないが、それを解くような粘り強さが私にもあったんだな、と」と交渉の過程を振り返り、「最終的には、生まれ故郷の仙台でみなさんに快刀乱麻を見せたいと。私としては、もう一度、この球場で日本シリーズを、岸、梨田監督を胴上げというニュースを作りたい。そのためには彼が必要だと。殺し文句はないが、『迷ったら前に出たらどうだ』と私がモットーとしている言葉を何度も、何度も(伝えた)。今日という日を迎えて、監督ではないけれど、嬉しく思っています」と続けた。

 同副会長から受けた熱い言葉に、「迷ったら前に進めと聞いた時にそうだなと思いました。その言葉で前に進めたかなと思います」と岸。来年の目標について聞かれると、「常にキャリアハイ(自己最多は09年と14年の13勝)を目指して、15勝はしたいと毎年、思っている」と語り、日本一奪還についても「もちろん、それをしないと地元に帰ってきた意味がないと思うので、そういう期待に応えられるように精一杯、やりたいと思います」と力を込めた。

 西武でプレーした通算10年で226試合に登板、103勝65敗1セーブ、防御率3.05の成績を収めた右腕は新天地でどんな活躍を見せてくれるのか。多くのファンが大きな期待を寄せている。