世の中には「女は30歳までに結婚しろ」「男性が40歳過ぎて未婚・バツなしだと何かあると疑え」という、シングル・バッシングがまかり通っている。

その呪縛に囚われたように焦る人も多いが、果たしてそれは本当に正しいのだろうか?

そんな、あえて“結婚しない”人たちの事情に迫る。

これまでに、仕事が楽しくて結婚しない美奈子、 アラサー女子と付き合うのは重いと言われた紗江、結婚したら鬼嫁に豹変する女性に怯える伸夫、結婚を意識し過ぎて減点方式でしか相手を見れない恭平などを追った。

今週は?




<今週のお独り様>

名前:奈々絵
年齢:34歳
職業:食品輸入会社経営
ステータス:彼氏あり
理想の男性:男らしい人、気遣いが出来て頭が良い人


弱すぎて全く頼れない近頃の男性


「本当、男が弱すぎる」

最近の女子会はこの話題ばかりだ。小池都知事が女性初の都知事として当選し、ヒラリー・クリントン氏が当選すればアメリカ初の女性大統領が誕生する。そんなニュースが表しているように、最近女性が更にパワーアップしている。

昔から女性は強かったのだろう。しかしここ数年で、女性は更に強くなった気がする。奈々絵の周りでも、同世代で早々に起業し、世の中へ挑戦状を叩きつけて活躍している女友達の数はかなり多い。

海外を飛び回り、素敵なレストランへオシャレをして出かけ、流行に乗り遅れないようエネルギッシュに日々動き回る。『アッピア』だって自腹で行ける。そこで女子会もする。

しかし最近の男性は食に興味もなく、海外にも興味がない人が増えている。そんな無気力な男性陣を見て、男性の存在意義を疑う。そして結婚しても永遠に、そんなか弱い男性の“子守”をしなければならないのかと思うとゾッとする。男性が弱すぎて、何の魅力も感じない。だから結婚はしていない。


パワーが有り余っている女性陣...その一方で繊細過ぎる男性陣!?


ガツガツしていない20代


奈々絵の会社には27歳のタケルが働いているが、少し怒るとすぐ落ち込むので、怒りづらい。失敗しても褒めてあげないと伸びないのがゆとり世代らしいが、それで本当に本人のためになるのか心配になる。

「タケルの将来の夢って何なの?」
「そうですねー、可愛い奥さんをもらって平和に幸せに暮らすことです!」

大博打をしないので、大失敗はない。しかしその一方で、大成功もない。平和に暮らせるのは素晴らしいことだと思うが、ジェットコースッターのようなハラハラ、ドキドキの人生も楽しいのにと思うが全く理解されない。

「まぁ奈々絵さんみたいな強い女性には分からないかもしれませんが」

あと一歩、何かが足りない。
押しが足りないのだ。

最近そんなタケルから「早く結婚した方がいいですよ。」とよく言われる。女性がガツガツ仕事をして、稼いでいる姿は素敵とは映らず、必死だと映るみたいだ。特に30歳を過ぎて独身の人は「ちょっと可哀想」とまで言われる。




繊細過ぎる30代男子


一方で30代男子は、総じて面倒くさい。

奈々絵の現在の彼氏は同じ歳の34歳だが、非常に弱い。言葉には出さないが、少しでも仕事で失敗するとよく落ち込んでいるし、自分のプライドを守るために、傷つかないように防御線を張りながら行動しているようにしか見えない。

「ねぇ、失敗したっていいじゃん。人生何事も経験だよ」
「本当、奈々絵は強いよね...その鉄のハートが俺にも欲しいわ」

鉄のハートは何度も傷ついて、鍛えられて手に入れられる物だと思っているが、彼が鉄のハートを手に入れられるのはまだまだ先のようだ。彼のことは大好きだが、こんなにも繊細で傷つき易い人と一緒に結婚して、将来子供を育てていけるのか不安になる。

何を守りたいのか分からないが、様子を見ながら近づいてくる30代男子を見ていると、「男らしさはどこに行った!」と言いたくなる。

いちいち傷つく30代の彼を見ていると(見ている方も疲れるし)、大変そうだなと思う。頼り甲斐があるとは全く思えない。


日々肉食化が進む女性陣に対して草食化が進む男性陣...だから結婚率が下がっている?


草食男子はバブル世代男子に弟子入りすべき!?


最近ニュースで未婚率が高いだの、恋人がいない独り身の人数が過去最高になったなどのニュースが流れているが、仕方がないと感じている。

職業柄、年上の経営者の方と話をする機会が多く、食事にもよく行く。その度に彼らのスマートさ、アグレッシブさにハッとする。

お店は男性が予約するのが当たり前、デート前後の流れも全てが非常にスムーズだ。20代草食男子のように「手を握って終わり」でもなく、30代男子のように「何がしたいの?」とよく分からない関係がダラダラと続くこともない。

白黒ハッキリしている。好きなら好き、嫌いなら嫌い。非常に分りやすく、時間を無駄にしなくて済む。下手な恋愛本を読む前に、一度バブル世代の男性に弟子入りすれば良いのにと思う。

たまに積極的でスマートな20代・30代男性に合うと思わずドキリとする。そういう男性は数が少ないため、近年の市場では非常に価値が高く、間違いなくモテる。もっとそんな男性の人数が増えれば、少子化問題も解消されるのではないかと奈々絵は感じている。




弱男強女時代の到来!?


いつの間にか強くなり過ぎた女性陣。そんな女性陣の本当の“か弱さ”を分かってくれる人は中々おらず、結局いつもリードする事になる。

元来、女性は守られたい生き物である。しかし「俺に付いてこいよ」と言えるような強い男性は近年滅多におらず、もはや絶滅の危機に瀕している。

女性のパワーが強過ぎるのか、男性が弱過ぎるのか...

どちらが悪いのか分からないが、一つだけ言えることは結婚するなら頼れる相手が良い。こちらのパワーを持っていかれるような繊細で弱い人と時間を過ごす位だったら、その分仕事や他のことにその情熱を注ぎたい。

「結婚願望がないんですか?」

よく質問されるが、そうじゃない。ついて行きたいと思うような人がいないからだ。男性は多少強引位な方がモテるのに、いつからこんなか弱い男性が急増してしまったのか...



強過ぎる奈々絵が理想とするようなリードしてくれる男性は、東京ではもはや天然記念物並みの扱いである。しかしその一方で、奈々絵のような強い女性は、日々勢力拡大中である。

次週10月16日日曜日更新
意外に多い婚約破棄。それはただ、結婚から逃げているのか!?

【これまでの独りですが何か】
Vol.1:33歳未婚。仕事が恋人で何が悪い?
Vol.2:責任とか負いたくないっす。毎週末飲み過ぎちゃう広告代理店マンは結婚願望ナシ!
Vol.3:30歳を過ぎた独女との交際は重い...。勝手に責任を感じられるのは大迷惑!
Vol.4:結婚前は可愛いかったのに...(泣)妻になった途端に態度が急変する女性たち
Vol.5:東京市場は良い男で溢れてる?選択肢が多いと婚期が遅くなるのでご注意を
Vol.6:肉食男子、絶滅の危機。繊細過ぎて面倒臭い30代男子とパワー不足な20代男子