どれだけ休んでも疲れが取れない人は、「疲労」を誤解しているのかも…

写真拡大

「週末、あんなにダラダラ休んだのに、月曜の朝からなんとなくダルい、頭が重い…」――そんな人は、身体ではなく、脳が疲労しています。
たいていの人は、「休息=身体を休めること」だと思い込んでいます。たっぷり睡眠をとったり、リゾート地でゆったり過ごしたり、温泉にじっくりつかったり……もちろん、そうやって身体を休めることも大切です。
しかし、それだけでは回復しない疲労があります。それが「脳の疲れ」です。そう、脳には脳の休め方があるのです。「科学的な脳の休め方」をまとめた最新刊『世界のエリートがやっている 最高の休息法 ― 脳科学×瞑想で集中力が高まる』より、「脳疲労」がたまるメカニズムをご紹介します。

「科学的に脳を癒す方法」が
アメリカでも模索されている…

脳疲労は肉体疲労とは根本的に異なりますから、どれだけ身体を休めても、知らないあいだにどんどん蓄積されていきます。

そして、それが積もり積もって慢性化すると、人生のあらゆるパフォーマンスが低下し、ひどいときにはいわゆる心の病へと至ります。

私は米ロサンゼルスのサウスベイにあるメンタルクリニック「トランスホープ・メディカル」で院長をしています。ロサンゼルス郡で開業している日本人の精神科医は、じつは私しかいません。クリニックをはじめてからおよそ6年、私はこの地区に住む人々の心の問題に向き合ってきました。

いま、ここアメリカの精神医療は大きく変わりつつあります。

たとえば、薬物治療。日本ではまだかなり一般的ですが、こちらの国では避けられる傾向にあります。その背景にあるのは、脳を「1つの臓器」として扱い、これをダイレクトに治療しようとする脳科学アプローチの発展です。先端脳科学の成果をもとに、TMS磁気治療などの技術革新が進み、副作用のある薬に頼らなくても、心の不調を改善できるめどが立ってきました。

また、カウンセリングの分野でも、瞑想などを含んだ第3世代認知行動療法といった最新トレンドが生まれています。瞑想と言っても、これはただのリラクゼーションとは根本的に違います。この領域にも脳科学が入り込み、瞑想が脳によい変化をもたらすことが実証的に確認されているからです。

米イェール大学医学部の精神神経学科で先端脳科学を研究してきた私は、自分のクリニックでもTMS磁気治療と瞑想ベースの治療を取り入れています。

私が今回『世界のエリートがやっている 最高の休息法』で日本のみなさんにお伝えしたかったのは、このうち後者です。

TMS磁気治療も大変有望で、これから日本で普及していくと思われますが、まだその途上にあります。一方、瞑想について言えば、手軽でありながら、かなりの有効性が期待できることが最新の研究動向からもわかっています。

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)