「官公庁オークション」より。話題となった物件

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千葉市のとある住宅が、「ヤフオク!」の「官公庁オークション」で公売にかけられている。300平米を超える広さ、瀟洒なたたずまいのちょっとした「豪邸」と言っていいような物件が756万円(見積価額)から、というと、「掘り出し物だ!」と興味を持つ人がいるかもしれない。

ただ、市による注意書きには一文、さらりとこんな「いわく」が添えられている。――「この物件は、平成26年1月に建物内で殺人事件が発生した物件です」。

チバリーヒルズにもほど近い住宅街

この物件が公売に掛けられたのは、2016年4月のことだ。

物件情報のページには、建物の写真が複数公開されている。地上3階建て、レンガ風のタイル壁に覆われ、玄関の上には大きなバルコニーがせり出すなど、洋館風でなかなかゴージャスな造りだ。築23年、市の説明には「経年相応の磨滅・老朽化があります」とのことだが、写真で見る限り、外観にはそれほどくたびれた雰囲気はない。

土地が527.15平米、建物が308.1平米だから、広さもかなりのものだ。立地は、千葉市緑区の住宅街、ひところ日本の高級住宅街の代名詞だった「チバリーヒルズ(ワンハンドレッドヒルズ)」も目と鼻の先にある。

この「豪邸」が土地・建物込みで「公売保証金額」760万円とされている。これを「破格」と感じた人も多かったようで、「2ちゃんねる」に立ったスレッドでは、「これは買いだろ」「750万ならリフォームしても安いか」といった声が続々と上がった。ただし、最初のうちは、だ。

「現況空家です。事件後、人の出入りはあまりなかったようで...」

ページ後半の「備考欄」には、この安さの理由がはっきりと書かれている。

「この物件は、平成26年1月に建物内で殺人事件が発生した物件です。現況空家です。事件後、人の出入りはあまりなかったようで、維持管理の状態は良くありません」

そう、この豪邸はつい2年前、殺人事件の現場となっていたのである。当時の新聞報道によると、亡くなったのは当時住んでいた男性。何者かに刃物らしきもので刺され、死亡しているのを発見されたが、現場では凶器は見つからなかったという。住民が自殺などを遂げた部屋などを俗に「事故物件」というが、まさにその典型例といえるだろう。

よく見ると、ヤフオク!に市が公開している写真にも、建物の内部には家具や衣服などが置かれたままになっている。

こうした事実に気づいたためだろう、上記のスレッドでは、途中から「怖すぎわろた」「ガチかよ」「ホラー映画にでてきそう」といったコメントが並び始め、怖気づいてしまったようで、積極的に買おうという声は少なくなった。

この物件、すでに4月27日に参加申し込みを終了している。5月10日から入札が始まるとのことだ。