キリストの復活の真相を追った男を描く『リズン』はフィルムノワール作品のようなミステリー
映画『エリザベス』『恋におちたシェイクスピア』などの演技派俳優ジョセフ・ファインズが、新作『リズン(原題) / Risen』について、2月17日(現地時間)にニューヨークのAOLで開催されたイベントで語った。
本作は、イエス・キリストの復活を題材にした歴史宗教ドラマ。古代ローマ帝国の下、はりつけの刑に処せられたイエス・キリストが復活したといううわさが流れ、その処刑に立ち会った将軍クラヴィウス(ジョセフ)が、部下ルシウス(トム・フェルトン)と共に、エルサレムに向かいその真相を突き止めようとするが、意外な真実が明らかになっていく。監督は映画『トリスタンとイゾルデ』のケヴィン・レイノルズ。
ジョセフが演じたクラヴィウスとは「かなり大きな役で、このような旅路に出る非常に魅力的でおいしい役だ。もちろん、イエス・キリストのストーリーに関しては多くの人が知っているが、クラヴィウスというキリスト教信者ではない男の観点から描かれていることが個性的なんだ。この脚本を読んだときは、ミステリー殺人を描いたフィルムノワール作品のようにも感じられた。もっともこの事件は、今までで最も有名なミステリー殺人だけれどね」と個人的な見解を語った。
ある意味、探偵のような観点でクラヴィウスを演じたのか、との質問に「このクラヴィウスという役柄は、調査していく道中で彼の軍に対立する人たちと衝突するシーンもあるため、僕はアプローチをするうえで、軍事上の演習が必要だと思った。そのため、実際にローマに行って、グラディエーター(剣闘士)の学校に通ったんだ。その先生は、ヨーロッパ中で剣闘士の戦いを披露している人物だった。当時の剣闘士は今日のロックスターのようなもので、実際に当時のローマ軍でさえも、剣闘士から戦闘手法を教わったこともあるそうだ」と答えた。
トム・フェルトンとの共演について「僕はトムが好きだよ。彼はしゃれたユーモアのセンスを持っていて、演者としても素晴らしい。彼とはすぐに気が合った。彼のキャラクター、ルシウスは大志を抱いていて、クラヴィウスに敬意も表している。だが、そんな彼もクラヴィウスの変化(裏切り的な行為)によって、内面が壊れていくんだ」と興味深いキャラクターであることを語った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)