日本復帰2年目となるオリックスの中島宏之[BASEBALLKING]

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 オリックスの中島宏之が、勝負の16年シーズンに挑む。

 日本球界復帰1年目となった昨季は、主軸打者として期待されながら打率.240、10本塁打、46打点と低迷。右太もも裏の肉離れで離脱するなど117試合の出場に終わり、「思っていたように身体を使い切れなかった。難しいシーズンだった」と反省の言葉を並べた。

 開幕直後は4番に座ったが、打率2割台と低迷。4月19日の西武戦で内野安打を放った際に右太もも裏を痛め、約3週間戦列を離れた。復帰後は3戦連続マルチ安打をマークするなど復調の兆しを見せたが、期待された本塁打は5月終了時点で3本。その後もストライク判定を巡り主審と一触即発状態になるなど、3シーズンぶりの日本野球にアジャストし切れず、故障者続出したチームも5位に沈んだ。

 守備でも簡単なスローイングでミスを犯すなど、チームワースト2位の10失策。それでも3年契約の中島は、現状維持の3億5千万円で更改。新シーズンに向けては「チームのために数字を残して、勝ちに貢献したい」と力を込めた。

 期待を裏切ることになった背番号『1』だが、そもそもアメリカから日本復帰を果たした先輩野手も、復帰1年目は苦労した選手が多い。

 昨シーズン攻守に渡り阪神を支えた福留孝介は、カブス、インディアンスなど活躍したのち13年に阪神入り。1年目は左膝痛に苦しむなど63試合の出場に終わり、打率.198、6本塁打、31打点と期待を大きく裏切った。メッツなどで7年間プレーし11年に楽天入りした松井稼頭央も、復帰元年は打率.260、9本塁打、48打点と低調。出塁率.294、盗塁数も15にとどまり、持ち味を発揮できなかった。

 メジャーで4年間プレーし、11年に楽天で日本復帰を果たし岩村明憲も、打率.183、0本塁打、9打点と期待を大きく裏切る結果に。カージナルスとフィリーズで2度の世界一を経験した田口壮は、古巣・オリックス復帰後は年齢的な衰えと度重なる故障もあり、満足なプレーができなかった。

 期待通りの活躍をした選手と言えば、04年に日本ハム入りした新庄剛志。復帰初年度から打率.298、24本塁打、79打点と活躍し、チームの北海道移転元年を盛り上げた。09年にロッテ入りした井口資仁も、新天地1年目は打率.281、19本塁打、65打点と及第点の活躍。10年に阪神入りした城島健司は、復帰1年目に打率.303、28本塁打、91打点と大活躍したが、2年目以降はケガに苦しみ12年限りで現役生活に別れを告げた。

 先人たちの成績を振り返っても、再び日本野球に適応する難しさが見て取れる。中島は16年で34歳とまだまだ働ける年齢なだけに、昨年の反省を活かし今年こそ本来の姿を見せてほしいところ。名前も「裕之」から「宏之」に改名し、名誉挽回のシーズンに臨む。(金額は推定)