続々引退のプロ野球、大物ぞろいで次期監督に最も近いのは…
今年ほど、一世を風靡した“超ベテラン選手”の引退が多かったシーズンも珍しい。
中日・山本昌(50歳)、小笠原道大(みちひろ・42歳)、和田一浩(43歳)、巨人・井端弘和(40歳)、金城龍彦(39歳)、DeNA・高橋尚成(40歳)、西武・西口文也(43歳)、オリックス・谷佳知(よしとも・42歳)、楽天・斎藤隆(45歳)…。あらためて並べてみると、そうそうたるメンバーだ。
昨季から兼任監督だった中日・谷繁元信(44歳)、新たに巨人の監督となった高橋由伸(40歳)に続いて、近い将来、監督に就任しそうなのは誰なのか?
まず名前が挙げられるのは楽天・斎藤隆だ。パ・リーグ某球団関係者が語る。
「今年、三木谷(みきたに)浩史オーナーの“現場介入事件”が起きていなければ、巨人・高橋由伸のように斎藤も引退即、監督になっていたかもしれません。地元・仙台出身で、メジャー経験もあり、人柄にも定評がある。球団としてもこれ以上の候補はいません。
ところが、あの事件が表沙汰になったことで、三木谷オーナーは事態収拾のため星野仙一副会長にチームを委ねた。梨田昌孝新監督にしろ、新たなコーチ陣にしろ、今回の組閣は“星野人事”だったわけです」
楽天ファンからすれば、斎藤隆監督のほうを見たかったような気もするが…。中日は大ベテランの大量引退イヤーとなったが、ポスト谷繁の筆頭候補は誰?
「すべては落合博満GMの腹ひとつでしょう。ファンの人気が高いのは中日ひと筋32年の山本昌ですが、彼は二軍から指導者の下積みを始め、選手と一緒に泥にまみれて経験を積む…というような性格じゃない。しばらくは解説者などして、時機が来るのを待つことになりそうです。
むしろ本命は、引退して即、二軍監督に就任した小笠原。落合GM自身が巨人から獲得した経緯を考えても、順調にいけば“ポスト谷繁の本命”は彼ではないかと」(地元テレビ局関係者)
ファンの人気が高い生え抜きといえば、西武の西口も同じ。こちらはすぐに球団フロント入りが決まり、はたから見れば順調にレールの上を走り始めたようにも思えるが…。
「彼はよくも悪くもマイペースな性格で、投手コーチはあるかもしれませんが、監督というタイプじゃない。それに西武では長年、監督候補といわれ続けてきた潮崎哲也二軍監督がこのオフ、ついに一軍ヘッド兼投手コーチに就任。田辺徳雄(のりお)監督の後任となるのが既定路線です」(スポーツ紙デスク)
ところで、まだ引退していない大ベテランの中にも、実は監督候補がいる。DeNAで投手コーチを兼任している三浦大輔(41歳)だ。
「話題性やファンへの訴求力という意味でも、人間性の面でも、球団内では『中畑の後は三浦しかいない』という声が強かった。最終的には球団に強く売り込んでいたラミレスの就任となったわけですが、それ以前に球団は水面下で三浦へ兼任監督の打診をしたものの、『まだその時期ではない』と本人が断ったという話もあります」(前出・スポーツ紙デスク)
確かに、登板日が限られる先発投手と監督の兼任なら野手ほどの負担はなさそうだし、それはそれで見てみたかった気もする。
いずれにせよ、最近は監督の世代交代が激しく、特にセ・リーグは全員が40代となった。来年以降も各球団の動向から目が離せない!