東アジアカップに見る3つの「YES」と1つの「NO」…選手に求められる世界標準とは
また、中国代表との3戦目に突然、左サイドバックで起用されながら、フィジカルとメンタルの強さ、攻撃センスを披露した米倉恒貴(ガンバ大阪)は極めてポジティブな発見だった。右サイドバックが本職だが、左右での起用にメドが立ったように思われる。自身も「攻撃で違いを見せたかった」と話し、武藤のゴールをアシストしたことで攻撃性が強調されがちだが、ディフェンスでの球際の厳しさと粘り強さを見せていた。本人も「一対一の強さは自分のウリでもあるので」と守備面の手応えを話しており、当初から活躍が期待された遠藤に対して、今大会一番のサプライズだったと言えるかもしれない。
大会後に「何人かは努力が必要」としたハリルホジッチ監督だが、本音では選手個々とJリーグ全体のレベルアップを求めていると見ている。大会前に「メンタルを見たい」と語った指揮官は、今大会を通じて選手たちに「世界と戦えるフィジカルを」と要求していた。そこに彼の本心が見え隠れする。この思いを国内組の選手たちに強調できたことが、2つ目のポジティブな要素だ。
厳しい状況下でしっかりとメンタルを出し切るには、相応のフィジカルが必要となる。当然ながらスタミナが切れれば集中力は続かず、スピードがなければ相手のカウンターには対応できない。パワーとテクニックが不足していれば、球際で強さと巧さを発揮することはできない。その上で戦えるかどうか、アウェイで自分のプレーを最大限発揮できるかどうかを見ていかなければならない。山口は初戦の逆転負けに関して、「監督も『フィジカルで足りていない選手がいる』と言っていたし、そこは単にフィジカルが足りていないだけなのかもしれない。個人的にはそこまで(ペースを)飛ばした印象は持っていない」と求めるハードルを下げてしまったことを明かしていた。

