東アジアカップに見る3つの「YES」と1つの「NO」…選手に求められる世界標準とは
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が大会前に掲げた目標は達成できたのか。
その答えは「YES」であり、「NO」でもある。だが、どちらか一択を求められるのであれば、大会を通じて選手や関係者の声を拾ってきた立場から、間違いなく「YES」を選択する。
7月23日にEAFF東アジアカップ2015に臨む日本代表メンバーを発表した際、指揮官は今大会の目標を明らかにしていた。一つは大会制覇、そしてもう一つが9月から再開するワールドカップ アジア2次予選に向けての新戦力発掘だった。
まず目標に関する「NO」は、このタイトル獲得という結果についてだ。
2分け1敗で大会最下位という成績は、いろいろな困難があったことを差し引いても物足りない。選手同士はJリーグで対戦したことがあるとはいえ、同じチームでプレーし、さらに監督が求めるサッカーを形するには時間がなさすぎた。ただ、監督の戦術や選手の対応力の低さを指摘する声もあるが、朝鮮民主主義人民共和国代表との初戦で逆転負けを喫して以降、韓国代表戦では選手の判断も手伝って守備を立て直し、中国代表との最終戦では攻守に臨機応変さを表現するなど、選手たちはできる限りのプレーを見せたと言っていい。槙野智章(浦和レッズ)と森重真人(FC東京)を中心にコミュニケーションを取り、3試合目でしっかりチームとして機能していたことを考えれば、もう数日間の準備で成績は大きく変わっていたはず。監督も中国戦後に「あと3日あれば優勝できた」と話していたおり、選手たちが見せた対応力は評価したいと思う。
この背景にはJリーグと大会のカレンダーに難しさがあるだけに今後の検討課題とすべきだろう。なお、これに関して霜田正浩技術委員長に聞いたところ、「そこは僕たちの仕事。これからJリーグともしっかりコミュニケーションを取っていく」と明らかにしている。中には「どうして今までやってこなかったのか」という意見もあるだろうが、監督が声高に過密日程への異議を唱えることが問題提起になってJリーグとの連係が進めば、今後に向けてのプラス材料になる。今さら感はありながら、「NO」とした部分の中にもポジティブな要素はあったと考えている。
重要なのは「YES」の部分だ。実は今回、大会で結果を出せなかった一方で、プラス材料は非常に多かったと見ている。
最初のポイントは新戦力発掘の部分だ。監督はアウェイの地で戦えるかどうか、そして海外組を含めた日本代表チームに入ってこられるかの見極めを目指し、一定の収穫を得たのは間違いない。中国戦後の記者会見でも「真の日本代表に入れる人材は何人か見つかった。何人かはまだ努力が必要だ」と話していた。

