すみだ観光案内所で販売される大相撲や北斎の浮世絵をモチーフにしたネクタイ。(撮影:吉川忠行)

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2011年に完成予定の「新東京タワー」建設の最終候補地となった墨田区で24日、同区文化観光協会(阿部慶一会長)が、区内の観光案内の拠点となる「すみだ観光案内所」を報道関係者に公開した。25日に開業する。

 案内所の外壁には同区ゆかりの浮世絵画家・葛飾北斎の「浪裏(なみうら)」を描いた縦6.2メートル、横3.75メートルの大きな看板が掲げられている。東京の観光名所である浅草から、隅田川にかかる吾妻橋を墨田区側へ渡っていくと、この大看板が出迎えてくれる。

 地元で佃煮店を営む鮒五本店の古田千慧子(ちえこ)社長が昨年、同店の改装を機に、交差点に面した角地を観光案内所として活用する案を墨田区長に提案したことが同案内所開設の発端。開設に伴い、従来区役所内にあった同協会の事務所も同じ建物に移転する。

 案内所部分の広さは26平方メートル。観光客への案内業務は同区在住またはゆかりのある人が2人1組で行う。「まち歩きコース」や区内の行事などを紹介する観光案内のほか、北斎の浮世絵や大相撲をモチーフにしたネクタイや絵はがき、忠臣蔵トランプなどの土産物を販売。また、同協会で講習を受けた区民による観光ガイド「すみだ観光ボランティアガイド」の申し込み受付も行う。同所は東京都の観光案内窓口にもなっており、周辺地域の下町情報も提供していく。

 同協会は、案内所が区内の「まち歩き観光」の拠点となることを目指しており、今後の動向によっては区内に複数の案内所を設けることも検討している。来所者数は年間で3万6000人程度を見込む。同協会の吉田晴彦事務局長は「浅草と新タワーを結ぶこのルートは今後発展するのでは」と同所の立地に期待感を示した。

 開所時間は午前10時から午後6時まで。12月29日から1月1日を除き無休。問い合わせは墨田区文化観光協会事務局(電話03-5608-6951)まで。【了】

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