――ライブをする機会も増えているかと思いますが、ライブの楽しさや課題に感じていることなどはありますか?

西内:生モノなので、反応もダイレクトに伝わりますし、その場の空気を作るのが自分なので、やり甲斐も感じます。みんなで心を一つにしたいし、一方通行になりたくないので、問い掛けてみたり、どれだけ遠くても後ろの人に声を掛けてみたり。その空間を一緒に楽しんだり、感情を共有することを意識してます。

最初はそれが出来なかったんですよ。MCがすごくつまらなくて。「どうしたら楽しんでもらえるだろう?みんなの心を開くことが出来るんだろう?」って考えた時、まず自分が心を開いて楽しめば、みんなも一緒に楽しんでくれることに気付きました。

最近はポロッと本音を言ってみたり、お客さんに話し掛けたりすると、反応が全然違って。終わってからも「すごく楽しかったなぁ〜」って余韻に浸れたりするので。今後はMCとかダンスとか色々なパフォーマンスで、エンターテイメント性という意味でも、やってみたいことばかりで楽しみです。

――自分の曲を聴いてくれるお客さんの反応が見えると、盛り上がるアップテンポの曲や、しっとりと聴かせるバラードなど、ライブの構成を意識した曲作りもされてくるかと思います。今後の作品でこんな曲を歌いたいというイメージはありますか?

西内:実は最近、作詞・作曲にチャレンジしていて。元々、作曲したいという願望は中学生ぐらいの頃からあったので、よくボイスメモに録音してたんですけど、最近初めてそれを形に、1曲にして。この間、その曲をファンイベントやRISING福島復興支援コンサートで披露させてもらったんです。

弾き語りのバラードって繊細ですし、歌うのが難しいんですけど、心にスッと届くんだなって。今はまだ歌を磨いている途中で、自信は全然無いんですけど、今できる自分の感性や気持ちを乗せて届けたい。その中で歌が上手くなったらいいなと思います。今後、皆さんに聴いてもらえる時には、もっと伝わる曲になっているように、磨いていきたいと思ってます。

――今年の秋にはヒロインを務める映画『レインツリーの国』の公開が控えていますが、演技のお仕事をする際には、どんなことに気を付けていますか?

西内:いかに自分じゃない人を演じるか、いかに“西内まりや”を感じさせないかですね。私が魅力に感じる俳優さんって、表情、歩き方、テンポ感、声のトーン、ちょっとした間、全てが作品によって変わっていて、全然違う人物を演じていて。私はとことん突き詰めたがるタイプなので、今までの作品で演じてきたどの役を見ても、違う人になっていたいんです。メッチャ難しいんですけど。

――西内さんが演じた人見利香は、耳に障害を抱える女性でしたが、共感する部分はありましたか?

西内:人見さんは、人とのコミュニケーションが取りづらいから、人と会うことに臆病になっていて。ネットに自分の想いを載せて、発信しているんです。あまり感情を表に出さないんですけど、感じたことを素直に言葉にしたり、思ったことをすぐ書いたりしていて。

私も不思議に思ったり、疑問に感じたり、新鮮な想いを携帯のメモ帳に常に書いていて。自分の悩みや不安、立ち向かいたいことに対して、諦めずに乗り越えようと頑張る姿は、私もそうしたいし、演じていて背中を押されましたね。