23日に行なわれたWBC世界バンタム級タイトルマッチ。見事に6度目の防衛を果たした王者・山中慎介さんですが、試合後の勝利者インタビューでは若干挙動不審な行動が見られました。

インタビューの終わり際、特に脈絡もないところで「声が出ないんで…」「もう…!」と叫んだのです。それもちょっと裏声混じりで。

実はそれには理由があるのです。

2013年12月17日に日本テレビで放映された「踊る!さんま御殿」でのこと。並み居る有名芸能人とともに番組出演した山中さんですが、トーク内容ではなく「何を言っているのかよくわからない、こもった声」が注目されてしまったのです。

「声が通らないんです」「レストランでも『すんませーん』と言ってもまず気づいてもらえない」「試合後の勝利者インタビューでも9割以上、言っていることが伝わらない」「乾杯のあいさつをしたときも、誰一人聞こえてなかった」と山中さんはこもり声をアピール。

共演した日本テレビの水卜麻美アナウンサーから「あえいうえおあお」と読み上げる、女子アナ流トレーニング法を教わったりする山中さんですが、あまりのこもり声に「これ(あえいうえおあお)がアヤしい人初めて見ました」と爆笑される始末。

そこで最終的に明石家さんまさんが贈ったアドバイスが、「裏声使ったらええねん。オフコースの『もう…!(※「さよなら」の一節)』を歌って、その声でいけばいい」というものだったのです。アドバイス通り実践すると、先ほどまでより格段に聞き取りやすくなる山中さんの声。一同手応えを感じ、明石家さんまさんも「今度の試合それでいけよ! 見たい!」と期待感を高めたのです。

その流れがあっての、インタビュー中の「声が出ないんで…」「もう…!」。

山中さんの約束を忘れない律儀なキャラクターと、「あぁ本気でこもり声に悩んでいるんだな」というところが垣間見えて、ほっこりした気持ちになりますね。そして、世界タイトルマッチという激闘のあとでもこれだけの余裕があるなら、王者・山中の防衛ロードもまだまだつづきそうで大いに楽しみになってきます。

(文=フモフモ編集長 http://blog.livedoor.jp/vitaminw/

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