魚が感染源の「シガテラ中毒」で温度の感覚がめちゃくちゃに。海外旅行で食べてはいけない魚とは

写真拡大

暖かい地域の海に生息する魚の中には、人間に有毒な成分を体にため込んでいるものがあります。海外のレストランやスーパーマーケットで普通に売られている魚にも注意が必要です。ウェブサイトthe Saltが報じています。

25年前、カリブ海のバハマでレッド・スナッパー(真鯛とは異なる、スズキの仲間)を食べた2人の男性が、胃痛、下痢といった症状を訴えました。さらに両足がズキズキと痛みだし、温度の感覚がめちゃくちゃに(熱いものを冷たく感じるなど)なってしまったそうです。

この症状は「シガテラ中毒」と呼ばれ、魚に含まれる毒素が神経細胞に小さな穴をあけてしまうことで起こります。

当時この事件が発表された『Clinical Toxicology』によると、恐ろしいのはこれだけではありません。魚を食べなかったはずの彼らの妻たちが、数日後から陰部にヒリヒリと焼けるような痛みを訴えるようになったのです。

これまでエッチで感染した例はさほど多く発表されておらず、一般にはあまり知られていませんでした。しかしマイアミの神経医フリードマン氏は、これは積極的にお医者さんに相談する人が少ないためで、実際にはエッチによる感染例は少なくないのではないかと指摘しています。

シガテラ中毒を起こす魚は熱帯、亜熱帯で獲れたものであることが知られていました。しかし最近になって、アメリカ(バーモント、ノースカロライナ、ニューヨーク)でシガテラ中毒の報告が増えているそうです。専門家たちは海水温が上がることで、毒を持つ魚の生息範囲が広がっているのではないかと考えています。

注意が必要な魚は、「レッド・スナッパー」「アンバージャック」(カンパチの一種)、「イシガキダイ」「オニカマス」など。毒は水洗いや加熱で取り除くことはできないので、温かい地域ではこれらの魚は食べないのが無難。

それでも食べたい、食べなければいけない、という時は3ポンド(約85グラム)程度までにしてください、とフリードマン先生。

死亡例はさほど多くはないようです。しかし食べた本人だけでなく、パートナーを苦しめてしまったり、しばらくエッチができなくなってしまうというのは大問題。日本でも沖縄や九州を中心にいくつかの症例が報告されていまが、特に南国への海外旅行の際は気を付けるようにしたいものです。

参考:Sexually Transmitted Food Poisoning? A Fish Toxin Could Be To Blame
http://www.npr.org/blogs/thesalt/2014/02/13/276453719/sexually-transmitted-food-poisoning-a-fish-toxin-could-be-to-blame