排出ガスを車内にホースで引き込み… 現代自動車のCMがヨーロッパで物議醸す

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現代自動車がヨーロッパ向けに制作したCMがあまりにも刺激的だったことから非難を浴び、さらに盗作疑惑も浮上したことから放送が中止となった。

26日、韓国メディア「ZDNet Korea」によると、現代自動車はヨーロッパに輸出する水素電子電気自動車「ix35」のCMを、最近ユーチューブに掲載した。しかし、自動車の性能を紹介するCMとしてはあまりにも不適切な内容だった。

映像は薄暗いガレージの中から始まる。ガムテープを貼る音やガタガタと何か作業をする音が響き渡り、その作業をしていたひとりの中年男性がゆっくりと車に乗り込む。

男性の表情は暗く、視線の先には外から車内に引き込まれた黒いホースがある。ホースは車内に何かを送り込んでいるようだ。男性は目の前に広がる狭いガレージを見つめ、覚悟を決めたような表情を浮かべると目を閉じる。だが、次の瞬間、ガレージは明るくなる。男性は自殺に失敗したのだ。

現代自動車はこのCMで「ix35」が排出するものは“水”だけで、排出ガスを使った自殺はできないことを伝えた。

だが、CMがユーチューブに公開されると抗議が相次いだ。「自殺を素材にした広告だなんて笑えない」「20年前、父親がこの方法で自殺した」などといった不快感を示す声が集まり、米フォーブス誌も25日付けの関連記事で「本来なら映像のリンクを紹介するのだが、この広告に関してはしたくない」と批判した。

現代自動車は非難を受けて映像を削除。現代自動車の本社は「今回の騒動について深くお詫びを申し上げます」と謝罪し、「この広告には現代自動車グループは関与していない。広告企画系列会社のイノーションヨーロッパ支社が一時的なCMとして制作した」と説明した。

だが、騒動はこれだけで終わらなかった。CMの内容が、アウディが2011年に「A7」クリーンディーゼルを広告した際の内容と、酷似していると指摘されたのだ。当時、アウディのCMも物議を醸し、謝罪する事態となった。今のところ、現代自動車は盗作疑惑についての説明は行っていない。

・参照:マネートゥデイ
・参照:ZDNet Korea

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