こんな感じで連続ツイートをしてみた。これは、Jリーグ現王者ことサンフレッチェ広島が、予算規模においてはJリーグでも中位クラスにも関わらずやたらと勝て勝てやかましいので、「じゃあ予算付けてくれ」という当たり前の観点から論じたものです。
 
 








 この議論に対する反応は概ね好意的だったし、RT数からしても多くの人の問題意識に触れたのではないかと思う。特に、こうした意見は興味深かった。
 
 





 こうした意見を踏まえ、僕はこう考えた。
 
 



 そう、つまり日本のサッカーファンは、ひょっとして「ブラック企業体質」ではないかという仮説だ。われながらひどい仮説だと思うが、まあ聞いてくれ。そもそもプレミアリーグの順位表を見ても、一部のおもしろチームを除けばビッグバジェットのチームが上位5位までを占めている。
 
 http://soccer.yahoo.co.jp/ws/standing/?l=52
 
 リーガ・エスパニョーラに関しては、バルセロナとレアル・マドリードがそれぞれ違う意味でおかしなことになっているとはいえ、アトレチコ・マドリードが健闘しているとはいえ、「戦力は予算に比例する」という話を否定するほどのものではない。
 
 http://soccer.yahoo.co.jp/ws/standing/?l=67
 
 ブンデスリーガに関しては、全チームのバジェットがヨーロッパの中で突出して高いわけではないと思うが、最大のバジェットを持つバイエルンが本領を発揮すればこの程度の独走は掛けられてしまう。
 
 http://soccer.yahoo.co.jp/ws/standing/?l=56
 
 この件に関して、「予算ですべてが決まる」とかアホな勘違いをした上で特攻してきては憤死する人が後を絶たないのだが、強調しておくと「戦力は予算に比例する」が前提で、「予算が少ないチームが勝つこと“も”ある」が例外だ。
 
 われわれサンフレッチェ広島は、明らかに例外だといえる。あるいは、Jリーグというか日本人はそもそも爆発的に能力の開きがあるわけではないため、突出した外国人を持つクラブが少ない現状では多少の予算差もカバーできてしまう、というところなのだろう。
 
 しかし広島の優勝にはACLが絡んでいない、ナビスコカップ早期敗退、天皇杯早期敗退、さらに代表選手は事実上1人といった事情があることも忘れてはならない。リーグ戦に集中できたからこその番狂わせなのであり、今季同じことが安易に繰り返せると考えている関係者は誰もいないだろう。
 
 当たり前のハナシだが、複数の大会を戦うには選手層が必要だ。選手層が厚い・薄いというのは、ファーストチームとセカンドチームの差が大きいか小さいかだ。ブニョドコル戦では現状、森崎和幸と岡本知剛、ミキッチと石川大徳の差は大きいと痛感せざるを得なかった。森崎浩司と石原直樹はややタイプが違うし、清水航平と山岸智にはある程度のメドは立っているが、ファーストチームの水準を維持できる選手は上記したような15名程度しかいない状況だと思う。
 
 そういうチームに対して、ACLも取れというのは無茶な話なのです。この状況だと、リーグ戦の連覇もまず厳しい、というのが現状の立ち位置なのであって、そうしたチームにメディア的にアオリが必要だという事情は抜きにして、過剰な期待を掛けるのなら、オレは一言こう言いたい。
 
 
 「じゃあ、予算付けてくださいね☆」
 
 
 そういう話ではないのか。まさか、ACLを制する上で広州のような、ムリキ・コンカ・バリオスといったバケモノを揃えているようなチームに広島が補強なしで立ち向かえると本気で思うのか。予算規模で広島のほぼ2倍である浦和を引きちぎったようなチームに、森脇の戦力ダウンを塩谷の成長で補っているような広島が太刀打ちできると、決勝で彼らを下して優勝できると、本気で思っているのか?
 
 それはB29を竹槍で落とせ的な、気合だ、Jリーグ王者の誇りを持って戦え、元気があれば何でもできる、的な発想以外の何物でもないのではないか? もちろんACLは参加する以上グループリーグ突破を前提に戦うだろうし、Jリーグは連覇を目指して戦うはずだが、予想や評論といった局面ではもう少し現実的な見方というのが重要ではないだろうか。
 
 こういう意見を言うと、「カネで全てが決まるわけではないだろ」的な突っ込みが必ず入るが、いったい誰がカネで全てが決まると言っているのだろうか。「全ての幸福がカネで買える」と断言する人は、全盛期のホリエモンぐらいしか多分いない。したかどうかはしらない。オレはしない。


 だが、「多くの幸福がカネで買える」または「多くの不幸はカネで回避できる」のは紛れもない事実なのだ。光熱水費、ガス代、交通費、家賃といった必要経費に生活費について日頃やりくりしている人ほど、そのことに気づいているはずだ。「宝くじが当たればいいのに」と思っているはずだ。カネで全ては決まらないが、多くの不幸はカネで回避できるのだ。
 
 そしてサッカーチームにおける不幸とは、せっかくのアジアの舞台というチャンスを得たにも関わらず、制覇するのに十分な戦力をそろえられていない現在のサンフレッチェ広島のことにほかならないのではないのか。そういう現状を踏まえた上で、改めて言うが、ACL、
 
 優勝してほしいならカネをくれ。