新京報は24日付で、中国の200を超える村で地下水の汚染などが原因で高い癌(がん)発生率が観測されたと発表した。

 地下水の汚染が癌の発生率増加と畜類の不妊を招いているという報告が中国各地から寄せられているほか、中国環境保護部も環境汚染によって癌発生率が高い村の存在を認めている、また、最近ではインターネット上で、「中国癌症村地図」が注目を集めた。

 一部の地域では汚染が水道水にまでおよんでいると言われており、中国国土資料部によれば、遼寧省のある地域では汚染水の排出によって地下水が汚染され、付近の村で160人が死亡した。

 また別の地域では地下水の深刻な汚染によって1日辺り51万立方メートルの水資源を廃棄せざるを得ない状況となっているほか、北京市では地表に近い地下水から発癌性のほか催奇形性の恐れのある物質も検出されており、同様の物質は中国東部地域の地下水にも存在していると考えられている。

 地下水汚染の隠蔽(いんぺい)は監視が難しく、発見された時にはすでに深刻な結果を招いていることが多い。2000年から12年にかけて中国国土資源部が全国195の都市で地下水を測定した結果、97%の都市で地下水の汚染が確認され、40%の都市で汚染の悪化が確認された。(編集担当:及川源十郎)