セリエAでもっとも監督経験があるのはウディネーゼのグイドリン
監督の年齢を気にする者は少ないが、監督の経験となれば話は別だ。特にセリエAでは指揮官の生年月日よりも、どれだけの修羅場をくぐってきたかの経験値が重要視される。
先日シエナの監督に就任したジュゼッペ・サンニーノ。年齢は54歳。監督としては新人ではないが、セリエAのクラブを率いた経験はゼロ。2011-12シーズンが彼にとってのセリエAデビューとなる。
スクデット獲得経験者がゼロ
今シーズンのカンピオナートは以前と比べると少し特殊なシーズンだった。
代表監督になったリッピやカペッロ、イングランドに渡ったアンチェロッティとマンチーニ、三冠を達成してレアル・マドリーへと旅立ったモウリーニョといった、過去に監督してスクデットを獲得した経験のある人物が誰一人としてセリエAのベンチにいなかったのだ。マッシミリアーノ・アッレグリがミランを率いてカンピオナートを制するまでは。
次々に誕生する新米監督
2011-2012シーズンは、シエナのサンニーノとローマの新しい指揮官に就任したルイス・エンリケがセリエAで初めて采配を振る。その他にも3人の監督はセリエAでの監督経験がほとんど無い人物である。カターニャの監督に就任したヴィンチェンツォ・モンテッラは今シーズン途中、ラニエリの辞任を受けて急遽ローマの監督になったが、チームを率いたのはたったの13試合。ボローニャの監督になったビゾーリは12試合。
ユベントスの再建を託されたアントニオ・コンテは、アタランタでセリエA監督デビューを果たしたがクルヴァと良好な関係が築けず、ティフォージから批判され続け、わずか13試合を指揮した後にチームを離れている。今シーズン、ユーベを率いていたデルネーリも同じ状況に追い込まれていたが、ユーベのティフォージが求めていたのは、まさにコンテだった。
まだ監督を発表していないのはジェノアとレッチェの2チーム。レッチェは前パルマ監督のマリーノ、もしくはチェゼーナを残留に導いたフィッカデンティが新監督として有力視されている。ジェノアはパレルモを率いていたデリオ・ロッシとアルベルト・マレザーニのどちらかが有力とされているが、プレツィオージ会長はいつもサプライズを用意しているので、誰を指揮官にするかは公式発表があるまで分からない。
4大クラブの監督を合計しても183試合
セリエAでの監督経験がもっとも豊富なのは、現ウディネーゼ監督のグイドリン。1993年にアタランタの監督に就任してから、セリエAで計446試合を率いた彼の経験に勝てる者はいない。もっともこの年のグイドリンも、たった10試合で解任されているのだが。彼に続くナポリのマッツァーリでさえ、259試合に留まっている。200試合以上を率いた経験があるのは、この2人しかいない。
ラツィオのレヤ(167)、パルマのコロンバ(162)、チェゼーナのジャンパオロ(147)、キエーボのディ・カルロ(121)、そしてミランをスクデットに導いたアッレグリ(109)。100試合以上の経験を持つのはたった7人。ミラン、インテル、ユーベ、ローマの4クラブを合計しても183試合にしかならない。