担当M(以下M):6月1日のペルー戦では3-4-3を試したけれど前半だけで終わりました。

ラモス(以下R):試すことは悪くないでしょう。そしてあの試合だけで成果が出なかったと言うべきじゃないですね。日本はまだブラジルやアルゼンチンと違って、1回試しただけで判断できるようなレベルじゃないんです。それに日本はペルー戦でシステムも試したし、新しい選手も入れた。両方を試したのだから、それだけでもうまくいかなくて不思議じゃないんです。僕は次のチェコ戦でも3-4-3を試してみるべきだと思います。ただし、メンバーをアジアカップで戦ったメンバーに戻して、お互いのプレーを理解している選手でやってみるべきでしょう。それで初めてシステムが機能するのかどうか議論できます。僕は3-4-3は無理じゃないオプションだと思いますよ。

M:ですがワールドカップ予選まで、もうチリ戦と韓国戦の2試合になってしまいました。

R:確かに今、新しいことを試してみるのは時期的に遅いですね。その心配はあります。だけどそれはザッケローニ監督のせいじゃない。本当は3月に2試合組まれていたのを忘れちゃいけないと思います。きっと監督はモンテネグロ戦とニュージーランド戦で試してみたかったのでしょう。その機会がなくなったのだから、今試してみなければならないのだと思います。それにアジアカップのときの4-2-3-1や4-4-2に戻せばどれくらいの力があるのか、もうわかっているのだから焦る必要もないでしょう。

M:ペルー戦でラモスさんからご覧になってよかった選手は誰ですか?

R:今野と遠藤、それから川島でしょう。今野はとても安定していたし、遠藤は縦にいいパスを入れていました。川島は終盤大活躍してくれました。

M:期待できる選手は?

R:僕は安田のことを大好きですけど、もっとやってほしい。できると期待しています。

M:3-4-3のときには前線、特に前田遼一選手にいいプレーが生まれませんでした。

R:それは前田にパスが渡っていないからでしょう? ペルー戦では日本らしいパス回しが中盤でできなかったから、前田にパスが行くときは必ず相手を2人背負う状態だったんですよ。一概にFWのせいとばかりは言えないでしょう。ただ、そういうとき前田はもっとシンプルなプレーをしていい。次のチェコ戦では活躍してくれると信じてますよ。