ロシアのウェブサイト『sports.life.ru』が報じたところによると、ロシアサッカー連盟はフース・ヒディンク代表監督の要請を受け、同監督が昨シーズンのチェルシーと同じように、ほかのクラブを指揮することを認めたという。ロシアのスポーツ大臣であるムトコ氏が、「基本方針として、ヒディンクは別のチームを率いることができる。チェルシーの場合は、アブラモビッチ(チェルシー・オーナー)との特別な関係があって、我々は交渉を受け入れた。だが今回も、物事は変わらないだろうと思う」と話している。

唯一の条件と見られているのが、ヒディンク監督が別のクラブを率いている間、ロシア代表監督としての報酬を諦めるというものだ。これにより、ヒディンク監督のユヴェントス就任への扉が開かれただけではなく、すでに交渉が行われていることが分かった。ヒディンク監督はチーロ・フェッラーラ監督の後任として強力な候補ということだ。いずれにしても、フェッラーラ監督は11日の練習を指揮しており、13日に行われるコッパ・イタリアのナポリ戦は通常どおりとなるが、彼の運命はもはや決まったかのように思われる。

元ユヴェントスのジャンルカ・ヴィアッリ氏は、イタリア『スカイ・スポーツ』のインタビューで、フェッラーラ監督に代わってユーヴェのベンチに座る準備があるかどうかを尋ねられると、「そういうオファーを受けるのは、私にとって難しいことだろう。その仕事をしているのは、私の親友の一人なんだからね。だが、そういう話を聞くことですら、すでに残念に思うことだ」と答えている。

今後のチームを率いるのが誰になるかという問題はさておき、ユヴェントスはコッパ・イタリアのナポリ戦を前に中盤が緊急事態を迎えている。モモ・シソコ(アフリカ・ネーションズカップに参加)、チアゴ(アトレティコ・マドリーへ移籍)に続いて、クリスティアン・ポウルセンが負傷(腓骨骨折で50日の離脱)。さらに、クラウディオ・マルキージオも出場停止となっている。親善試合でプリマヴェーラ(ユースチーム)のマッローネも100%の状態ではないことを考えれば、ユヴェントスのセントラルハーフはフェリペ・メロだけとなってしまう。

フェッラーラ監督は4-4-2のフォーメーションを続けたいと望んでおり、中盤センターにはF・メロとハサン・サリハミジッチを起用し、左サイドにはパオロ・デ・チェッリエ、右サイドには初めてマルティン・カセレスを置かなければいけなくなると見られる。ただし、F・メロを底に置き、ジエゴをトップ下とするダイヤモンド型の中盤を復活させる方が可能性は高いだろう。

ただし、問題はこれだけで終わらない。攻撃陣にも緊急事態は及んでいる。ダヴィド・トレゼゲとセバスティン・ジョヴィンコはケガで離脱し、リーグ次節はアマウリが出場停止。ヴィンチェンツォ・イアクインタが回復する可能性はあるが、90分間プレーできる状態ではない。起用できるのはアレッサンドロ・デル・ピエーロだけとなり、同選手にとっては慣れない1トップでのプレーを見る機会となるかもしれない。