痴漢冤罪防止のために「男性専用車両」を設置する要望が正式に提案される
先日元被告に無罪判決が下された東京の西武新宿線での痴漢事件や、2008年3月に大阪の地下鉄御堂筋線で発生した示談金目当てで帰宅途中の会社員を痴漢にでっち上げた事件など、相次ぐ痴漢の冤罪事件を受けて、男性専用車両の設置が正式に要望されたことが明らかになりました。
痴漢の冤罪事件だけでなく、痴漢事件をも防ぐことが目的とされる「男性専用車両」ですが、はたして導入されるのでしょうか。
詳細は以下から。
(PDFファイル)第4回定時株主総会招集ご通知 | 西武ホールディングス
西武ホールディングスが6月24日(水)午前10時から行う予定の第4回定期株主総会の招集通知によると、株主10名からの提案として、車内での痴漢行為や痴漢冤罪を防止するため、女性専用車両を設置するとともに、それと同数もしくは人数比率に応じた数の男性専用車両の設置が要望されています。
西武鉄道では、多数の痴漢事件又は痴漢冤罪事件が発生しており、対策を講じる必要がある。痴漢対策としては、女性専用車両の設置等により、一定の成果をあげているが、痴漢冤罪対策は全くなされていない。関西においては、痴漢冤罪の虚偽告訴が現に行われており、痴漢冤罪の危険は極めて大きい。
男性専用車両の設置は、カメラの設置等に比べて費用も安価で、プライバシーの問題もなく、効果も確実である。また、男女平等を定めた憲法14条の精神からも、男性専用車両を設置する必要がある。
とされています。
なお、この提案に対して西武ホールディングスの取締役会は、西武鉄道において女性専用車両をすでに導入していることや、マナー向上のためにポスターを掲出するといった犯罪防止のための各種活動を実施していることを挙げて、「利用者からの要望が少ない現状においては実施すべきとの判断には至っていない」とした上で、反対意見を表明しています。
ちなみに以下の産経新聞社の報道によると、このような提案が行われるのはこれが3度目とされており、2008年度の株主総会では、同株主提案に対して書面投票した株主の47.5%にあたる1703人が賛成したそうです。
しかし株主総会で定款変更のためには議決権の3分の2の賛同が必要であり、西武ホールディングスの株式は約32%をアメリカの投資ファンドであるサーベラスが保有していることから、この株主提案を実現させるためには非常に厚い壁があるようです。
「痴漢冤罪防止へ男性車両を」西武HD株主が提案 - MSN産経ニュース
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