第8試合 ウェルター級/5分3R
クリス・ライトル(米国)
Def.3R終了/判定
×ポール・テイラー(英国)

英国の名勝負製造戦士テイラーは、ライトルのパンチを受けながらも、右フックを返し、右ミドルを放っていく。ライトルは右のボディフックから、右ストレートを連打。組みついてテイクダンを狙うが、テイラーは差し返して、わき腹にヒザを入れていく。

自ら距離をとったライトルは、再び組み合いの攻防から投げを打つが、テイラーもすくっと立ち上がる。ライトルは組みついたままボディを打つが、テイラーのエルボーで思わず後ずさり。距離が離れたところでテイラーはハイを放ったが、これは空振りとなった。

組みつきたいライトルと、離れて打ち合いたいテイラー。1Rは名勝負男の良さを封印したライトルのペースで進んだが、残り時間20秒のところテイラーの右フックがヒット。序盤の打ち合いで、危機感を感じたのかライトルが手堅い戦法をとったまま1Rが終了した。

2R、いきなりパンチの連打を放っていくテイラー。ライトルも打ち返し、激しい打ち合いに。この打ち合いを制したライトルはここでも組みつき、ついにテイクダウンに成功。リバーサル狙いのテイラーは、右腕をついて立ち上がろうとしたが、ここでライトルがギロチンへ。

しっかりと腕を差しこみ、対処したテイラーはスタンドに戻ると、反対にテイクダウンを狙って組みつく。態勢を入れ替えたライトルが、ケージを背にしたテイラーにパンチを見舞う。再び距離をとった両者だが、ライトルの左から右フックがヒットする。ボディを効果的に繰り出すライトルだが、ここでテイラーの放った右ローがライトルの急所を直撃する。

試合は一時中断したが、すぐに再開。ケージ際のクリンチ戦が続く。ライトルの両足タックルを差し返したテイラーは、予想以上にレスリングもできる。最終ラウンド、テイラーの右ミドルがヒット。左ハイを返すライトルは、ボディを効かせつつ前進を続ける。テイラーをケージに詰めて、左右の連打を打ち込んだライトル。怯まないテイラーがパンチを返すと、ライトルはややペースダウンし、スタミナ配分をしながら打撃戦に挑む。

テイラーのローキックでバランスを崩したライトルは、ややスタミナ切れした様子だ。ケージ際の攻防にブレイクがかかり、残り時間2分を切ったところで両者がオクタゴン中央で、拳を振るい合う。一瞬、スリップしバランスを崩したライトルだが、ここでテイクダウンを奪い勝負をまとめに入る。

腰をコントロールするライトル。距離を作って立ち上がったテイラーは、最後の打撃戦を挑み、激しい打ち合い。右アッパー2発、続いてフックを浴びてふらつくライトル、必死の形相で組みついたところで試合終了のホーンが館内に鳴り響いた。

ジャッジの裁定は、29−28が二人、30−27が一人となりライトルが勝利。名勝負男に、名勝負をさせなかったライトルが、判定勝ちを手にした。

UFC89 全試合結果一覧へ