「三丁目の夕日」が描く昭和は、本当に良い時代なのか?/中村 修治
映画「三丁目の夕日」の全篇に溢れている夢と人情に、
素直に目頭を熱くもするが・・・
経済成長の止まった平成のこの時代に、
あの頃の憧憬にどっぷりつかって思考停止することには、いささか反発を覚える。
ぽっちゃん便所のあの時代に・・・
昭和37年生まれの私は、戻りたいとは思わない。


あの昭和の時代は、ほんとに良かったのか。
義理と人情に溢れ、少年による殺人事件も、何もなかったのか。

下記は、
東京タワーが完成した昭和33年に起こった未成年殺人事件の抜粋である。

昭和33年5月12日「中学2年生がカッとして幼児殺人」
広島県で、中学2年生(14)が男の子(6)を殺害した。男の子が造っていた砂山を蹴飛ばしたため悪口を言われ、カッとして頭を竹で突いて転倒させて失神させた。処置に困って林に運んだが、まだ生きていると気づいてこれ以上苦しまないように殺そうと石で頭を殴ったもの。これまでも些細なことでカッとして幼児3人を殴ったりしていた。父親は戦死して、母親に育てられていた。

昭和33年10月2日「17才が片思いの幼なじみを駅で惨殺」
福島県伊達郡の保原駅ホームで、土木作業員(17)が高校3年生女子(17)を電車から引きずり出してシノ(とび職の道具)で首を数回突き刺した。血まみれの手を洗って煙草を吸ってから倒れている女子の周りをうろうろして「警察を呼べ」とわめき、「これでもか!思い知ったか!」と叫びながらさらに20数回めった刺しにして殺害、その場で逮捕された。夜のラッシュ時で大勢の乗客や駅員がいたが誰も留めようとはしなかった。

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