「あらびき団」を知っているだろうか。他の番組では見られない芸人やパフォーマーてんこ盛りの“あらびき”で濃厚な30分を堪能できる新感覚のネタ見せ番組だ。そんなあらびき団をより楽しめる公式本「あらびき団公式パンフレット」が7月31日、発売される。

 同パンフレットはこれまでに出演したあらびきパフォーマー114組の情報や裏話、所属事務所一覧を掲載。さらに人気の高いパフォーマー“あらびきスター”の袋とじグラビアまであり、あらびきファン必携の一冊となっている。しかし、本当に買ってほしいと私個人が思っているのは、お笑い好きだがあらびき団を見たことがないという人たちだ。

 あらびき団は初見で大笑いできる番組ではないように思う。あらびき団の面白さは二度、三度と見続けることで味わいがより深まるものだ。それは例えばほんの数時間前に放送されている「爆笑レッドカーペット」(フジテレビ系)のようなわかりやすくポップな面白さではない。

 あらびき団では出演回数が多く、人気の高いパフォーマーを“あらびきスター”と呼んでいるが、そのラインナップといえば、衝撃のハイテンションピン芸人「ハリウッドザコシショウ」(SMA NEET Project)に、セーラー服で大真面目に歌う中年男性「安穂野香」。あらびき団に出演しているのを親に咎められて休業中の「メグちゃん」(ホリプロ)など、他の番組ではほとんどお目にかかることはない名前ばかり。そんな彼らのあらびき芸で引き起こされるのは大爆笑の渦ではない。なんというか、こう、ああ……という空気なのだ。

 だが、これが繰り返されることでなんとも言えず面白くなってくる。ホストである東野幸治(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)と藤井隆(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)のツッコミに加え、悪意のある編集がじわじわと心にしみ、いつしか腹を抱えて笑っている自分に気づくのだ。

 だからこそ、このパンフレットはいい予習となる。独特のあらびきワールドに飛び込む前の準備運動としてぴったりの一冊だ。お笑い好きで、かつあらびき団を見たことがない、またはあまり面白いと思えない人にぜひ買ってもらいたい。

 ちなみに、世界のナベアツ(吉本興業)やはるな愛(サンズエンタテインメント)も同番組ではおなじみのあらびきスター。はるな愛はこれでブレイクしたも同然だし、ナベアツは今でもあらびき団を新ネタ披露の場に利用している。レッドカーペットでは絶対に見せることはないであろうネタを堂々とやりきるナベアツは、最高にばかばかしくて面白い。次世代のあらびきスターともいえる「モンスターエンジン」(吉本興業)、「アイヒマンスタンダード」(松竹芸能)の今後も気になるところだ。あらびき団に関しては私の筆もいくらでも進むが、続きはまたの機会にする。

(編集部 三浦ヨーコ)


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