インタビュー:MEG「書きたいことがたくさんあった」
 前作「BEAM」からわずか半年、先月18日に中田ヤスタカ(capsule)サウンドプロデュースによるニューアルバム「STEP」を発表したMEG。音楽活動と並行して、ファッション面ではモデル業を経てデザイナーとして自身のブランド「CAROLINA GLASER」を展開し、東京・原宿に路面店を構えるMEGだが、「STEP」発売に合わせて裏原宿をジャックした彼女のポスターには盗難が続出。8月28日にはホームから一番近いSHIBUYA AXにて初のワンマンライブ“PARTY”を控え、SUMMER SONICを始めとした夏フェスへの出演が続々と決定している。

第5回「Dithyrambos」(2008年07月16日)

――MEGさんのライブは、他のアーティストと比べて女性のお客さんが多い印象を受けていまして。歌詞の世界観も同性の方がより共感を得られたり、応援歌的に元気になれる曲が多いように感じているのですが、如何ですか?

MEG:特に共感してもらえるようにとかは考えていなくて。私にとって音楽は、元気になるというか、テンションを保てるものであればいいなとは思っているので、たぶん自然にテーマが明るめになっているのかもしれません。わざわざ聴いて落ち込みたくなかったりするし、ポジティブな心もちから良い出来事は生まれると信じているので(笑)。

――同性から共感を得られるような内容の曲もあれば、「素の私に近いアルバム」と言われていたように、「SEARCHLIGHT」などではMEGさん自身の恋愛観も垣間見えるのではないかと想像したのですが。

MEG:この曲は、海の中をずっと進んで行くようなイメージ。テーマがすぐに決まる曲は、デモを聴いた時に映像が一緒に浮かんでることが多いので。これは、潜って何かを探しているんだけど、結局それは見付かるのか見付からないのか、でも知りたいよね?みたいな所の状況。

――今回、自分の書いた歌詞を見渡して、特にこの部分に自分の性格が如実に表れているなと感じる部分はありますか?

MEG:うーん、どれだろう?でも、全部しっくり来るということは、フィクションではないということだと思うんですよね。

――自分でははない、別の誰かを主人公に見立てて書くということは無いですか?

MEG:どうでしょう。自分の中にある部分をちょっと膨らませて書いている、というのはあるんですけど。難しいんですよねー。全く自分には無いシチュエーションを与えられると、イメージが足りなくて悩んでしまう(笑)。自分にしっくりきていないものが、第3者にもしっくり伝わるのかが分からない。悩む時は、本当に悩みますよ。

――今回、中田さんの音から感じたイメージだけでなく、MEGさんが悩むことなく歌詞を書けたということも、「素の私に近いアルバム」ということなんでしょうね。

MEG:そうですね。テーマが来た時に「これはコレで」というのがあったということは多分、書きたいことがたくさんあったんだと思います。

――アルバムを作り終えて、「書きたかったことが書けたな」という実感はありますか?

MEG:ありますね。

――まだまだ書き足りないぐらい?

MEG:どうでしょう?この時は本当にすごくいいテンションで制作ができていたので、「あともう2曲ぐらい増えても全然いいよ。やろうやろう!」という感じではありましたね。

…次回「“MEGらしさ”をつかめていなかった」へと続く(2008年07月30日掲載)

第1回「素の私に近いアルバム」(2008年06月18日)
第2回「自分の中の“決心”」(2008年06月25日)
第3回「“アーティスト”MEGさん」(2008年07月02日)
第4回「曲順は任せた方がいい」(2008年07月09日)
第5回「Dithyrambos」(2008年07月16日)
第6回「書きたいことがたくさんあった」(2008年07月23日)
第7回「“MEGらしさ”をつかめていなかった」(2008年07月30日)
第8回「型にハマっていない人の方がいい」(2008年08月06日)
第9回「やったことがないことを試してみよう!キャンペーン」(2008年08月13日)
第10回「常におもしろく変化していくプロジェクト」(2008年08月20日)

MEG ニューアルバム「STEP」特集