サンダーランドのロイ・キーン監督は、先日FIFA(国際サッカー連盟)のゼップ・ブラッター会長が「故意に危険なタックルをした選手はサッカー界から追放すべき」と語ったことについて、「自分が現役なら追放されていたかも」と語った。

 マンチェスター・ユナイテッドでプレーした現役時代、激しいプレースタイルで対戦相手に恐れられたキーン。2001年4月には、マンチェスター・シティ戦で相手DFのアルフ・インゲ・ハーランドに対して激しいタックルを見舞い、十字靭帯断裂の重傷を負わせた。その後、このタックルを故意と認める旨の発言をしたため、物議を醸した経緯がある。

 そんなキーンは、危険なタックルを「犯罪として処理すべき」とまで語るFIFA会長の発言に対し、現役時代の自身が処分の対象になっていた可能性を語っている。

「この件については、あまり軽率な発言はできないね。私自身、“犯罪者”になっていた可能性もあるのだから。メディアの連中は危険なタックルについて騒ぎ立てる。街中で同じことをしたら間違いなく犯罪だとね。実際、ここ数年の間に裁判にまでなった件もあっただろう。しかし、これは非常に厄介な問題だ。慎重に対処しなければ、大きな問題を巻き起こす可能性を秘めている」

 先月23日には、アーセナルFWエドゥアルド・ダ・シルバがバーミンガムDFマーティン・テイラーの危険なタックルを受け、左足骨折の重傷を負ったばかり。しかし、現役時代の経験から、ブラッター会長の過激発言に警笛を鳴らすキーン。早急に対処法を模索するFIFAは、“当事者”の経験を持つ闘将の発言に耳を傾けるべきなのかもしれない。

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