ユーロ2008予選グループEのイングランドは24日、アウェイのイスラエル戦を0−0で引き分けた。終始試合を支配し、決定機を作りながらも得点力不足に泣いたイングランド。この日、グループ首位のクロアチアと2位ロシアがともに勝利を収めたことから、サッカーの母国イングランドは予選敗退の危機に瀕している。

 敵地テル・アビブで痛恨のドローを演じたイングランドのスティーブ・マクラーレン監督は、試合後の記者会見で、試合結果を勘違いするほど、深い失望感を露にした。

「勝つべき試合で負けてしまった…。いや、すまない、負けたのではなかった。しかし、負けたような気分でね。本当に勝つべき試合だったから。イスラエルのアウェイ戦が厳しい試合になるのは分かっていた。最初の20分間は厳しいプレッシャーを受けた。しかし、その後は試合を支配することができたし、楽に勝てるほどのチャンスを作った。勝てなかったのは、決定力に欠けたからだ。もっとゴール前で冷静になる必要がある」

 ここ5試合でわずか1ゴールと、深刻な得点力不足に悩むイングランド。この状況に、MFのスティーブン・ジェラードは、原因はチーム全体にあると語る。

「点が入らない原因はひとつじゃない。このチームのメンバーを見れば、毎週のようにリーグ戦でゴールを決めている選手ばかりだ。FWやMFに限らずね。でも、代表の試合になると、ゴールから遠ざかってしまう。ストライカーだけに責任を押し付けることはできないよ。攻撃に参加する6〜7人の選手に責任がある」

 イスラエル戦の引き分けで、予選突破へ後がなくなったイングランド。自身の去就問題も現実味を帯びてきたマクラーレンは試合後、うなだれる選手に向かって大声を張り上げたという。「まだ7試合も残している。予選突破が私の仕事だ」と語る指揮官。嫌な流れを断ち切るためにも、水曜日のアンドラ戦では圧倒的な実力差を見せ付た勝利が必要だろう。