ボストン・レッドソックスの正捕手、ジェイソン・バリテックが「野茂は多くを語らなかったが、口を開けば、人々はじっと聴いたものだ」と、かつての同僚、野茂英雄のことを振り返った。ボストンの地元紙「ボストン・グローブ」紙の電子版は18日付けで、松坂大輔投手とバッテリーを組むことになるバテリック捕手にインタビュー。01年に野茂がレッドソックスでノーヒットノーランを記録した時に、マスクを被っていたバリテックは、「野茂は、E.F.Huttonのような男だ」と表現。アメリカの有名な証券会社の創始者で、70年代に流行したテレビコマーシャル「E.F.Huttonが話せば、人々は聴く」のフレーズを引き合いに出して、野茂の存在感を語ったもの。

 「彼は、周囲で何が起こっているのか、洞察力の鋭い男だった。口数は多くなかったけれど、何か口を開けば、人々は聴いた。多くを語らなかったが、その中で周囲との信頼関係を築いていった」

 言葉の壁を乗り越えて、メジャーでの地位を築いた野茂のスタイルを評価する一方、「松坂を楽にできるのなら」と、自分も幾つかの日本語の語彙を覚える覚悟があると語ったベリテック。「松坂は松坂。ペドロ(マルチネス)やカートシリングと比較する気はないし、野茂と比較する気もないよ」と、あくまで、新人の個性を尊重する姿勢を明らかにしている。【USA通信】