なぜ女の子たちは「盛る」のか

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女性のビジュアルの「盛(も)り」や女子達の文化の変遷をたどる『「盛り」の誕生 女の子とテクノロジーが生んだ日本の美意識』(久保友香/太田出版)が、4月18日に発売される。

ルーズソックス、日焼けした肌に茶髪、ヤマンバ、デカ目、インスタ映え……日本の女の子たちは、自らのビジュアルを“盛る”ことで特殊なコミュニケーションを行ってきた。それは、デジタルテクノロジーの発展と共に、リアル空間からプリクラやSNSといったバーチャル空間にまで広がりを見せているが、「盛り」はいつから行われ、どのように生まれたのか。「女の子が現実とは違うビジュアルを作り、新しいメディアで公開する技術」を「シンデレラテクノロジー」と名付けた久保友香が、日本発の文化=「盛り」の全貌を解き明かす。

久保は「盛り」を、

〈1990年代半ば以降のデジタルテクノロジーの発展により出現した「バーチャル空間」において、日本の女の子の間に広がった、ビジュアルコミュニケーションの行動。化粧、服装、ライフスタイルなどの自分自身を取り巻くビジュアルを、「コミュニティごと」の、常に「変化」する基準に従って、「可逆」に作り、コミュニケーションすること。その行動の背景にあるのは、コミュニティとの「協調」や、社会に対する「反抗」、常に新しいことを求める「好奇心」などの美意識と考えられる〉

と、定義。モバイル通信端末の普及、携帯電話とインターネットの普及、ビジュアル型のSNSであるインスタグラムの登場といったキーワードから、「盛り」について分析している。

同書の発売を記念し、著者による講演会がスパイラルルーム(東京都港区南青山5-6-23 スパイラル9F)で行われる。第1回は古田奈々恵、荒井悠介の両氏をゲストに迎え、『「盛り」の美意識《MORI1.0》』というテーマで4月17日に開催(19:00〜)。さらに、

・第2回 『「デカ目」のテクノロジー論《MORI2.0》』 5月10日(金)19:00〜。ゲスト:稲垣涼子、玉置未来、夏生さえり

・第3回『「盛り」サミット《MORI3.0》』 6月 7日(金)19:00〜。ゲスト:静電場朔、ギャル電まお、もーちぃ

が予定されている。

『「盛り」の誕生 女の子とテクノロジーが生んだ日本の美意識』(久保友香/太田出版)は2019年4月18日(木)発売。2400円+税。