花田光司

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 11日、元貴乃花氏が福島県郡山市で開催された東日本大震災の復興記念イベントに参加。市内の子どもたちにちゃんこ鍋を振る舞うなどして奮闘する同氏に浴びせた記者の質問に、怒りの声が殺到している。

 元貴乃花氏は8年前に東日本大震災が発生したこの日、元貴闘力の鎌苅忠茂氏らとともに、復興記念イベント「福魂祭2019」に参加。地元の人々を勇気づけようと、福島県産の野菜などを使ったちゃんこ約3000食を振る舞った。

 そんな元貴乃花氏に全く本質と外れた質問をしたのが、取材に訪れた記者たち。復興のために力尽くしている同氏に対し、一通りイベントのことを聞いたのち、週刊誌上で元五輪担当相の遠藤利明議員と会食したことについて質問を浴びせたのだ。

 当然、元貴乃花親方はその質問に「勘弁してください」と回答を拒否。それでも政界進出を問いただす記者に、「ありません。その話はご勘弁ください」と断りを入れる。復興に対する思いを踏みにじられた思いがしたであろう元貴乃花氏に、別の記者は元妻でフリーアナウンサーの河野景子さんが出版した件について質問。当然こちらも、「家族のことなので勘弁してください」と答えた。

 その後、記者からは大相撲春場所の質問などが飛び、嫌気が差したと思われる元貴乃花氏は早々に現場を去ったのだという。

 このニュースに、ネットユーザーからは「記者は東日本大震災の復興を祈っていないのか」「3.11のこの日に復興イベントで奮闘する元貴乃花氏にする質問じゃない」「記者は東日本大震災の被災者をバカにしてる」「3月11日がどういう日かわかっていない」など猛批判の声が上がった。

 3月11日という、日本の歴史にとって非常に重要かつ決して被害を忘れてはならない日に、福島を勇気づけようとするイベントに参加した元貴乃花氏。その行動と、この日の重さを知っていれば、被災者や復興への思いのみを聞くことが筋であり、ごく私的な質問をぶつけることは不適切だと批判されている。

 不適切な質問の記者に怒りをぶつけることなく、飲み込んで立ち去った元貴乃花氏の対応は、元横綱らしいものだった。

文・神代恭介