協会に対する気持ちを語った有村智恵&比嘉真美子(撮影:上山敬太)

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19日(水)に行われた「LPGAアワード2018」閉幕後、放映権問題の影響で来季の国内女子ツアー3大会が中止になったことについて、選手が口を開いた。プレーヤーズ委員会の委員長を務める比嘉真美子と、中止になった熊本、仙台とゆかりの深い有村智恵がともに訴えたのは“コミュニケーション不足”から生じた不信感だった。
会見で放映権問題について語る小林浩美会長
3大会が中止になったことについて「率直に言うと残念で仕方がない」(比嘉)、「これだけ恵まれたツアーになったなかで、試合が無くなるのはすごく大きなこと」(有村)と失意の言葉を口にした2人。さらにそのうちの2大会が被災地の宮城県、熊本県での大会とあって、そのショックは大きい。有村は「今後も協会、主催者の方々に大会継続をしてもらえるような姿勢を見せていただきたい」と切に願った。
今回の一連の話で、選手が問題視したのが、“協会とコミュニケーションをとることができなかった”点。選手達ですら、協会が放映権取得を目指しているという話は、外部からの情報で知る以外方法がなかったという。不安を抱えたままのシーズンが過ぎても、一向に協会の考えが伝えられることはなかった。
問題が大きく報じられるようになるなか、現状に一石を投じるためプレーヤーズ委員会は、今年10月、11月の2度にわたり質問書を協会に提出。しかし、それに対する回答を選手達が得ることはなかった。
これについて有村は「守秘性が高いのは分かっていましたが、『ゴルフ界の発展をどう考えているか?』という質問すらも守秘性という言葉で一括され、答えてもらえなかった」と状況を説明。直接、理事の一人と面と向かって話した際には、『放映権取得する動きはない。報道は全部ウソ』という“回答”が出されたことも明らかにした。
さらに委員長として協会とやり取りしていた比嘉も、「質問書への回答も特になく、すっきりしないままツアーが終わった印象がある」と同様の意見。試合の増減は、選手の生活に直結する問題でもあるため、「少しでも納得いくような回答が欲しかった」という比嘉のもとに、メールで返ってきた答えのなかには、次のようなものもあったという。
『選手はいいプレーをして、みなさまに笑顔を届けること』
こうした“コミュニケーション不足 ” が、協会に対する選手達の不信感を増長させた。そして、選手サイドも状況をつかめないなか行われたのが18日の日程発表記者会見だった。さらに「しっかりとした対応をしてもらったとは思えない」(有村)という思いを募らす選手に対して、協会が事のてん末を伝えたのは、その会見後。これも、やはりメールのみでの対応だった。
前日の会見で小林浩美会長は、「今年3月の『ダイキンオーキッドレディス』の際に行われた選手ミーティングで、出席した選手に“どうしてこのようなことをするのか”ということは説明させてもらった。会員のみなさんには協会を見守ってもらえることができた」と説明。しかし比嘉は「私たちが属しているツアーの問題ですけど、その件(放映権問題)について質問した時は切り離される印象で、私自身は温度差を感じていました」と本音を吐露した。
「協会が選手のことを考えて行動してくれているというのはウソではないのは分かっている。協会とともに歩んでいきたい」と話した有村。それは隣にいた比嘉はもちろん、多くの選手の気持ちを代弁したものだろう。「ツアーをどうしていきたいのか、直接会長の意見をみんな聞きたい」と、今後直接の説明を求める意向も2人は示した。選手が協会に感じる溝を埋めるためにも、一刻も早いコミュニケーションの場が求められる。
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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