ドコモの新CM、「一休さん」なのに「1930円」じゃない理由
「♪すき すき すき すき すき〜 すきっ! 一休さん」
40代以上の方なら、口ずさんだりすることもあるだろう。1975年からテレビアニメで放送された「一休さん」のオープニングソングだ。この曲を使用してテレビCMを流しているのが、携帯電話会社大手のNTTドコモ(docomo)。でも、なんで今さら「一休さん」? 「一休さん」なら1980円(イッキューパッ)ではなく、1930円(イッキューサン)では? J-CASTニュースは、docomoの広報担当に聞いてみた。
40年ほど前のテレビアニメなんですが...
まず、アニメ「一休さん」が放送されていたのは、今から40年ほど前のこと。室町時代に実在した一休さん(一休宗純)が、時の将軍・足利義満をはじめとした、大人たちからの無理難題を、トンチを使って解決していく...という物語だ。しかし、携帯電話のヘビーユーザーである10代、20代にはピンとこないのでは?
ところが、広報担当者は「それが狙いだった」という。
「このプランは家族3人まとめての契約で、1人あたり1980円というものなんです。家族3人を対象とすると、平均で30代後半〜40代の親御さんがターゲット。お父さん、お母さん世代を狙って作ったCMです」
なるほど。子供が携帯電話を持ち始めるのが、だいたい小学校高学年〜中学生。そういった家族がターゲットということか...。
それにしても、まだ疑問が湧く。
「一休さん」であれば、1980円ではなく、1930円の方が分かりやすいし、よっぽどストレートだったのでは?
「おっしゃる通りですね(笑)。でも、今回は先に『料金プラン』が決まっていて、それに合う曲を...ということで『一休さん』になりました。確かに、お客さまからご指摘をうけることもありますが、ご理解いただけるよう、努力しております」
被りものが怖い? いえいえ子供には好評
CMでは、両親と娘の頭が、巨大な「一休さん」に変わる演出がある。これについて、SNS上では「一休さんの被りものが怖い」「被りものは必要なの?」といった声も出ている。
しかし、広報担当者は
「そういったご意見があることは存じ上げております。一方で、一休さんを知らない幼稚園、小学校低学年のお子さまをお持ちのお客さまからは『(子供が)CM曲が流れるたびにテレビを振り返る』『お母さん、何、これ? と聞いてくる』...といった温かいお話もいただいております」
へ〜! 子供からすると「被りもの」は大好き。そういった話題性を逆手に取った、というところもあるようだ。
同CMは今年9月12日から放送を開始。今後も継続していく予定だという。
「一休さん」は過去、子役だった俳優・鈴木福さんを起用し、フジテレビがドラマ化した経緯もある。
auの「三太郎」、softbankの「白戸家」に続くシリーズ化は実現するのか? docomoのCM展開に注目したい。