Appleが「Living Hinge」と呼ばれる、金属を組み合わせてネジや軸を使うことなく曲げることができる新構造のヒンジの特許を取得したことが明らかになっています。Appleの特許情報をチェックするブログ・Patently Appleが、欧州特許庁に提出された「Living Hinge」に関する特許申請書類を発見しており、この新型ヒンジはMacBookやiPadの保護カバーへの応用が期待されます。

Apple Files European Patent Focusing on a new MacBook Clamshell Design with a Laser Cut Flex Hinge - Patently Apple

http://www.patentlyapple.com/patently-apple/2018/05/apple-files-european-patent-focusing-on-a-new-macbook-clamshell-design-with-a-laser-cut-flex-hinge.html

Appleが2012年から取り組んでいたという新しいヒンジの構造は「硬質な材料で形成されるセグメントの柔軟な組み合わせ」というタイトルでアメリカやEUで特許申請されています。

US20130216740A1 - Interlocking flexible segments formed from a rigid material - Google Patents



Espacenet - Bibliographic data



特許の要旨によると、Appleが開発した新型ヒンジは金属・合金・硬質プラスチックなどの剛性材料を幾何学的パターンで組み合わせることで柔軟に折り曲げられるような仕組みとなっていて、ノート型PCのエンクロージャーや電子デバイスのカバーに応用できるとのこと。ノートPCのヒンジは特に破損しやすい部分の1つですが、エンクロージャーと一体化することで耐久性の向上も期待できます。実際に特許の中で紹介されている図には、ノートPCと思われるような装置が描かれています。



また、イヤホンにもこの新型機構が応用できる模様。



明らかにiPadと思われるデバイスのカバーに応用することも想定されています。くるくると丸めることで、デバイスを支えることも可能なようです。



なお、Appleが特許を申請したアイデアは、Microsoftが2015年にSurface Bookで採用した動的支点設計のヒンジに似ていますが、Patently Appleによると、Appleがこのヒンジについて研究しているのはSurface Bookでの採用よりも先行しているとのこと。Surface Bookのヒンジがどういうものかは以下のムービーを見るとよくわかります。

(56) Detailed Look: Dynamic Fulcrum Hinge and Latch (Surface Book) - YouTube