東海道新幹線の車窓を彩るニチバン「セロテープ」の壁面広告が、18年ぶりにデザインを一新しました。従来のデザインとはかなり方向性が変わっています。

キャッチコピーはそのまま

 東海道新幹線の車窓には、白字に赤い数字3文字が大きく書かれた、化粧品「727(セブンツーセブン)」の看板をはじめ、インパクトの強い看板広告・壁面広告があります。そのなかのひとつ、JR東海の三河安城駅(愛知県安城市)付近にある、ニチバン(東京都文京区)「セロテープ」の壁面広告が大規模なリニューアルを行いました。壁面広告の所在地はニチバンの安城事業所で、2018年1月25日(木)から公開されています。


18年ぶりにリニューアルしたニチバン「セロテープ」の壁面広告(画像:ニチバン)。

 従来のデザインは「セロテープ」が宇宙空間を奔放に飛び交うものでしたが、新デザインは「セロテープ」のパッケージとおそろいの赤・青・白のトリコロールカラー。大きな変貌を遂げていますが、引き続き、コピーライター・仲畑貴志氏による「無くしてわかる ありがたさ 親と健康と セロテープ」のコピーを掲げています。

 ニチバンは、「創業100周年かつセロテープ発売70周年の記念すべき年に、シンプルさと普遍性を考えながらデザインを一新しました」と話します。

 なお、壁面広告はこれまでどおり、最終の新幹線が通り過ぎる時間帯までライトアップしているとのこと。また、よく見えるポイントは、たとえば東海道新幹線下りに乗車の場合には、三河安城駅を発車・通過して右手(E列側)であるといいます。

専門家はどう見る?

 今回のリニューアルについて、『東海道新幹線の車窓は、こんなに面白い!』(東洋経済新報社)の著者であるフォトライターの栗原 景さんは「以前のデザインも非常にユニークだったため、見られなくなってしまい、さみしいという思いはあります」としつつも、「シンプルなデザインにしたことで、在来線からも一瞬見える可能性があるようです」と話します。

 壁面広告と在来線の間には背の高い木々が茂っています。加えて、新幹線より低い場所を走っているため、在来線からは視認することが難しいものだったそうです。シンプルな新デザインであれば、その木々の合間から姿を確認できる可能性があるかもしれません。

「在来線から見えるかどうか、今度ぜひ確認してみたいと思っています」(栗原さん)


ニチバンの壁面広告の前を通過する新幹線(画像:ニチバン)。

 ちなみに、リニューアルは今回がはじめてではありません。栗原さんはニチバンの壁面広告について「今後もユニークなデザインを展開していくことを楽しみにしています」といいます。

【写真】宇宙空間を舞う「セロテープ」


18年にわたって東海道新幹線の車窓を彩っていた、宇宙空間を舞うセロテープ(画像:ニチバン)。