セレナが欠場でも「全豪オープン」は極めてタフな大会と女子選手たちが語る

写真拡大

15日から開催される「全豪オープン」に向け、出場予定の選手たちの記者会見が行われた。今回の大会には、2017年の覇者セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)はいないが、それ以外の女子選手の中から、スローン・スティーブンス(アメリカ)やエレナ・オスタペンコ(ラトビア)のように、驚異的な躍進を遂げグランドスラムの初タイトルを獲得する新星が現れる可能性がある。シーズン最初のグランドスラムを通常より"オープンな"大会だというべきではない。

「その手の質問を受ける場合は、ほぼ間違いなくある種のネガティブな意味合いが含まれていて、優れた選手がどれほど多く参加しているかについて触れられていない。女子テニスの選手層は、ここ数年で本当に厚くなったと思います」と語ったのはジョハナ・コンタ(イギリス)だ。2017年は「ウィンブルドン」で準決勝まで進出したコンタは、さらに「準々決勝や準決勝まで続くかんたんな道はありません。そんなものはありません」と続けた。

前回の覇者で、23回のメジャー大会優勝の経験があるセレナが、昨年9月に困難を伴いながら第一子を出産し、現在回復途上であることを理由に今大会への出場を見合わせたが、それでもなお、今回の「全豪オープン」は極めてタフな大会になると、スティーブンスは捉えている。「優れた選手が多く参加していますし、全員に優勝のチャンスがあります」と話す。

実際に、数多くの選手たちに2週間後にメルボルン・パークでトロフィーを掲げる可能性がある。2017年は世界ランキング1位が7回入れ替わり、5人の選手がその座に着いた。そのうち3人はキャリア初のランキング1位になっている。

その1人で、現在世界ランキング1位のシモナ・ハレプ(ルーマニア)は、今回こそその難関を突破して、2度準優勝まで進出したメジャー大会での初優勝を狙っている。ハレプは中国・深センで開催された「深センオープン」を制し、今シーズンをスタートさせた。「プレッシャーは感じていません。大丈夫です。開幕への準備はできています。もう1つ、グランドスラムで優勝するという目標があります」と意欲を見せた。

昨年、左足のケガによる長期離脱から復帰したスティーブンスは、「全米オープン」で大躍進を遂げ優勝を収めた。グランドスラム制覇により、突如スターダムにのし上がった彼女は、急激に変わった周囲の対応に苦しみ、9月以降は7試合連続でトーナメント戦から敗退した。しかし、メルボルンでは、再び自分のテニスを取り戻せると話す。「11か月テニスをしていなかった状況からグランドスラムで優勝するというのは、とても大きな変化を必ず伴うことだと思います。ただ、自分だけの世界にいたいし、自分のことをしたいのです。今しようとしているのもそういうことです」。

他にも有力な選手は多数いる。オスタペンコは「全仏オープン」で見事優勝を収めて以降ランキングを急上昇させ、現在7位だ。37歳のビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)も脅威となる存在であるほか、2016年に「全豪オープン」を制したアンジェリック・ケルバー(ドイツ)は不調だった昨年を経て、13日には「シドニー国際」のタイトルを獲得し、好調さを見せている。

ガルビネ・ムグルッサ(スペイン)は昨年の「ウィンブルドン」を制したが、新シーズンのスタートに至っては、途中棄権をするなど体調が問題視されている。カロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)も、2017年はキャリア復活の年となったが、メルボルンで存在感を見せて6年ぶりに世界ランキング1位に返り咲く可能性がある。

さらに、10個目のツアータイトルを「ブリスベン国際」で獲得し、「全豪オープン」で初優勝を狙うエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)もいる。「ブリスベンでは素晴らしい時間を過ごしました。もちろん、自信があります」とアピールする一方で、「常に変化し、競争が非常に激しい今の女子テニス界では、自分の現状ではまだ足りないところがある」とも話し、「誰もがグランドスラムで優勝したいと思っています。だからこそ、そこにたどり着けるように、また、勝負への準備をできるように、自分のやり方を見定めようと思います。1試合ずつの積み重ねですから」と、気を引き締めていた。

(C)AP(テニスデイリー編集部)

※写真は13日の会見で展望を語るスティーブンス
(AP Photo/Vincent Thian)