中国メディア・今日頭条は26日、トヨタの高級車ブランド・レクサスが中国での生産を行わない理由について説明する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国メディア・今日頭条は26日、トヨタの高級車ブランド・レクサスが中国での生産を行わない理由について説明する記事を掲載した。

 記事は、「レクサスは優れた質で中国でも消費者の信頼を得ている。一方で、多くの中国の消費者が、くれぐれも中国で生産しないでほしいとの考えを示している。トヨタの豊田章男社長によれば、現段階でレクサスを中国生産する考えはないという。それは、輸出販売方式がうまくいっていることと、中国生産によって品質が保てない可能性があるからだ」とした。

 そのうえで、「レクサス工場の設置に当たっては、地理的な位置に対する考慮のほか、工場エリアの建設から生産ラインの取り付けまで厳しくコントロールされる。そして、最も重要なのは、作業員の操作技術や素養に対する要求がとても高いこと。もちろん、合弁企業を選択する際の要求もかなり厳しい。ボディの生産から塗装、組み立てに至るまで、1つ1つの作業に厳しいチェックが入る。作業員は高い技術とともに責任感や社会貢献の心構えが求められるが、こういった点が中国企業の従業員には不足しているのだ」と説明している。

 また、中国向けのレクサス車販売が日本からの輸出形式をとっているもう1つの理由として「出荷される九州工場が上海港から直線距離でわずか800キロメートルと近く、1日以内に日本から運べてしまう」点を挙げた。輸送の金銭的、時間的コストがあまりかからないなかで、現地企業と合弁企業を作って現地生産するメリットが少ないことを伝えた。

 記事は「中国での合弁工場建設は手続きが煩瑣だ。一方輸出形式であれば合弁のように株式を現地企業と分け合う必要がなく、直接的な指揮権を持ち続けることもできる。中国生産にしてしまうと、発言権が一部失われてしまうのだ」と解説した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)