26日、J1昇格プレーオフの準決勝で名古屋と千葉とが対戦し、4-2で名古屋が勝利を収めた。千葉の1点リードで迎えた61分、名古屋のシモビッチのパスを千葉の近藤直也がクリアしようとする。ところがボールは突進してきた田口泰士の腕に当たって田口の前に転がり、田口はそのままドリブルして同点ゴールを挙げた。

同点の場合はリーズン中の順位から名古屋が決勝進出になってしまう。千葉は村上伸次主審に抗議するが受け入れられなかった。なぜなら現行ルールの解釈では、田口の手に当たったとしてもハンドリングの反則ではないからだ。

現在、ハンドの反則として認められるためには、手に当たる以外にいくつかの要素が必要となる。「ボールの方向への手や腕の動き(手や腕がボールの方向に動いているか)」「相手競技者とボールの距離(ボールが予期できるか)」「ボールのスピード」などが判断基準になり、手や腕の位置だけで、反則とはみなさない。(Laws of the Game 2017/18 P96

つまり、田口選手の目前でボールが蹴られていて、意図的にボールの方向に手を出したりするほどの時間はなかったため、手には当たったもののハンドリングの反則にはならないのだ。

今季3度目の対戦となる名古屋と千葉は、最後までお互いに攻め続ける白熱した試合を繰り広げた。その素晴らしいゲームが誤解で傷つけられるのはもったいない話である。

【日本蹴球合同会社/森雅史】