10月26日放送の『ゴロウ・デラックス』(TBS系)に、漫画家の松本零士がゲストで登場。人気漫画『宇宙戦艦ヤマト』の制作秘話を語っていた。

『銀河鉄道999』をはじめ、さまざまなSF作品をつくり出してきた松本。作品に登場するメカについて、現実に存在しないものだからこそ、徹底した取材が必要だという。

『宇宙戦艦ヤマト』を描く前、とある重要な出会いがあった。

「私が本郷3丁目の山越館に下宿してたときにですね、隣の部屋にいたのが、猿渡(正之)元海軍中佐。戦艦『武蔵』を護衛していた重巡洋艦『最上』の副艦長なんですよ」

 その元軍人が部屋にやってきて、こんな交流があったとか。

「『あなたは船が好きなのか』って聞くから、『好きです』って描いてる絵を見せたら、『よし』って言ってね。戦艦『大和』の設計図、ひと箱ドスンとくれたんです。
『終戦のときに、取り上げられる前に持って帰ったんだ』って。だから、私は戦艦大和の構造を全部知ってたんです」

 この知識が、『宇宙戦艦ヤマト』の制作に大きく役立った。

「『宇宙戦艦ヤマト』を依頼されたとき、全部の位置……第一艦橋、第二艦橋、第三艦橋って普通言わないでしょ。射撃策定盤室ってのがあるんですよ。コンピュータールームです。それまで全部図面で知ってて、ああいう設定ができたんです」

 こうしたディティールの下敷きがあったからこそ、名作が生まれたのだろう。