iPhone X、工場から各地へ出荷開始。第一陣は4万6500台、年内は供給不足の見通し
11月3日の発売まで20日を切ったiPhone Xですが、アップル主要サプライヤーのFoxconnからいよいよ初めての出荷が始まったと、中国の国営メディア新華社通信が報じています。

台数は4万6500台。Foxxconの鄭州および上海工場からオランダとアラブ首長国連邦(UAE)向けに送られた第一陣とされています。4万6500台というと少なく感じますが、今回の報道で伝えられたのは iPhone Xが発売される数十カ国のうちの2か国向けに、発売日までに繰り返されるであろう配送の第一回が税関を通過したとの内容です。発売日に、全世界で4万6500台しか用意されないという話ではありません。

それはそれとして、発売直後の iPhone X入手はやはり厳しくなるとの観測は次々と報告されています。先日も台湾 Yuanta Investment ConsultingのアナリストJeff Pu氏が、年内の生産量予測を4000万台から3600万台へと切り下げたばかり。その原因が「Face ID」用の3Dセンサーモジュール生産の難航と推測されることは、先日もお伝えしました。

iPhone X生産は難航、争奪戦はさらに激化? 原因は「ロミオとジュリエット」

リサーチ会社Rosenblatt SecuritiesのアナリストであるJun Zhang氏によると、FoxconnはiPhone Xの生産量を週あたり10万台から40万台へと改善しつつあるとのこと。そうした観測の元でもなお、同社は12月〜3月までの生産量見積もりを2000万台〜5000万台として従来から据え置き。供給状況が急に好転することはなさそうです。

この数字がどれほど少ないかといえば、iPhone 6sとiPhone 6s Plusが発売後3日間で1300万台以上を販売した実績から推して知るべし。もちろん iPhone 8 / iPhone 8 Plusをすでに購入して X は見送る層もいれば、11月3日の発売までには iPhone X の初日出荷数も積み増しされると思われますが、入手の難しさは早朝から行列に並んだり、個人の努力でどうにかなる範囲ではなさそうです。

一方で、アップル関連の予想でおなじみのKGI証券アナリストMing-Chi Kuo氏は「生産に伴う問題が数ヶ月で克服される可能性がある」と楽観的な見通しを述べています。

早めに入手しようと奔走して空振りに終わっても、来年まで待てば比較的楽に入手できるようになりそうです。