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著作権を管理している楽曲を無断で利用しているとして、JASRAC(日本音楽著作権協会)は7月11日、札幌市の理容室など2店を相手取って、楽曲の使用差し止めと損賠賠償を求める訴訟を起こした。一方、理容室の店主は「著作権の切れている楽曲だけしか使っていない」「一度終わった話だと思っていた」と困惑気味だ。

JASRACが提訴したのは、北海道札幌市の理容店「Elfina (エルフィナ) 」と香川県高松市の飲食店「Jamican Corner BROWN'S(ジャマイカンコーナーブラウンズ)」。それぞれに対して著作物の使用差し止めを求めているほか、理容室には計約3万1000円、飲食店には計約7万円の損害賠償を請求している。

JASRACによると、著作権を管理している楽曲が、店のBGMとして無断で利用されていることから、再三にわたりそれぞれの経営者に利用許諾契約を結ぶよう求めていた。2015年には、民事調停を申し立てたが不調に終わっていた。JASRAC広報部の担当者は「現在も、無断で楽曲を利用しつづけている」と話す。JASRACが今回のような訴訟を起こすのは全国で初めてだ。

訴えられた理容室の店主、村上聡さん(47)は11日夕、弁護士ドットコムニュースの電話取材に応じた。村上さんは「訴状はまだ確認していませんが、一度終わった話だと思っていました」と困惑気味に話した。2005年7月にオープンさせた店では、「著作権の切れたジャズの楽曲だけをかけてきた」といい、民事調停以降は「ラジオをかけるようにしている」という。

村上さんによると、民事調停のあと、JASRACから「村上さんの言い分はわかりました。過去に事例がないので、取り下げることはできませんが、毎年通知がいくと思います。だけど、無視していただいてかまいません」といった内容の話があったそうだ。村上さんは「こちらとしては、(JASRACに)ご理解いただいたという解釈でした」と話している。

(弁護士ドットコムニュース)