クルマの「きれい」、どう保つ? コツは「ディーラーの営業担当」にアリ
どんなに気をつけて洗車していても、見えない傷がつくなどして、やがてそれが色くすみの原因になる場合があります。であれば、なるべくきれいな状態をキープしたいもの。ディーラーの営業担当者が実践していることに、そのヒントがあるようです。
クルマの「きれい」を保つコツ、ディーラーの営業担当に注目
クルマをきれいに保つために「しっかり洗車」と思っても、それが傷やくすみの原因になることがあります。ゴシゴシ洗わずすむように、愛車はなるべく汚さず、きれいな状態でキープしたいものです。
洗車の頻度を下げるためにも、なるべく「きれい」な状態はキープしたいもの(写真出典:oleandra/123RF)。
クルマの美観に関するメンテナンスを行っている千葉ガレージ(東京都杉並区)の千葉邦彦さんは、「ディーラーの営業担当をお手本にするといいですよ」といいます。
ディーラーの営業担当は、新車の納車時や、車検で預かっていたクルマを返却する際、できるだけきれいな状態で顧客の元に届けなければなりません。確かに、そこには何らかのノウハウがありそうです。では彼らは、どんなことに気を付けて運転しているのでしょうか。
もちろん、まずは安全第一、事故厳禁が鉄則です。そのために、なるべく狭い道、見通しの悪い道は通らないそうです。そのことが、「実はクルマを汚さないことにもつながる」と千葉さんはいいます。
ルート選定から「きれい」キープは始まっている?
クルマを走らせるルートについて、千葉さんは続けます。
「道路は構造上、路肩側、つまり運転席から向かって左へ水がはけるようになっている場合が多いです。雨水とともに流れたゴミやほこりがたまっているところを走れば、はね上がりでクルマは汚れてしまいます。1.5車線しかないような道で対向車とすれ違う際には、どうしても路肩に寄ることになるので、そうした狭い道は避けて運転する、というわけです」(千葉ガレージ 千葉さん)
確かに、雨の日には水たまりもあるでしょうし、街路樹のある道なら落ち葉や小枝、土ぼこりなどが吹き溜まって、なおさら汚れそうです。ふだんの運転のなかでルートを好きに選べるような場面は少ないかもしれませんが、覚えておいて損はなさそうです。
また、運転の仕方も大切だそうです。ブレーキダストでホイールを汚さないように、不要な急ブレーキ、急発進はしないのが大切。これは、クルマのコンディションをよい状態で保つためにも重要なことです。安全運転が、結果的にはクルマに負荷をかけず、さらに汚れ回避にもなる、というわけです。
「乗らない」という選択肢は…?
いくら「きれい」のキープを心掛けていても、いずれは洗車をしないわけにはいかないでしょう。そのクルマに合った洗車の仕方は、これもやはり「ディーラーの営業担当が一番よく知っている」と千葉さんはいいます。試乗車や車検で預かったクルマを1日に何台も洗うのですから、当然といえば当然です。
洗車の際、クルマによって気を付けるべきポイントはさまざまなので、購入したときなどに、「どんなところが汚れやすいか」「見落としがちなのはどこか」「見栄えよく洗い上げるコツ」といったことを、直接ディーラーの担当者に聞いておくのもいいでしょう。
本末転倒気味ですが、「クルマはきれいにしておきたい、でも洗車は面倒、だからあまり乗らない」などという人もいるかもしれません。しかしこれは、実はクルマにとってあまりよいことではありません。「エンジンをかけ車両の各部に熱が行き届いて抜ける」という、普通に運転しているぶんにはなんら意識せずとも繰り返していることにより、クルマは良いコンディションを保つことができるからです。
家も、人が住んでいるあいだはきれいですが、空き家になった途端ガクッと痛むものです。大切なクルマなら安全運転を心掛け、こまめに乗って、走るルートも吟味して、そして適度に洗車。これにまさる「きれい」キープはないようです。
【写真】究極の選択? ガラスコーティング
クルマのガラスコーティングは、傷や汚れに強くツヤも比較的長持ちするが、施工に時間が掛かったり、業者へ依頼すると高価だったりと、一長一短(写真出典:bhakpong/123RF)。