少なくとも公開範囲は細かくカテゴライズしたほうが安心。

仕事、会社関係の方とのSNSのビジネスマナーについて紹介している今月の女子マナー診断。今回は、上司から届いたfacebookの友達申請の対応法についてです。「上司からfacebookやってるの? と聞かれたときにはどう返事をしたらいいのでしょうか?」(不動産会社勤務・32歳)という質問も寄せられています。働く女性の便利ツールとして浸透しているSNS。とくに実名登録が基本になっているfacebookは、個人情報の宝庫ともなっています。facebookは楽しんでいるけれど、上司には見られたくない、見せたくない。そんなときに、エレガントに断るにはどうしたらいいのでしょう。鈴木真理子先生に教えていただきます。

関わりたくない相手からの友達申請はスルー

この時期は楽しいイベントごとが多かったり、夏季休暇があったりと、facebookの投稿数がいつも以上に増えますし、上司の方々も部下はfacebookをやっているのかな、と調べたくなる人が多いようです。ネットリテラシーが低い方であればあるほど、インターネット上に知り合いの名前を見つけると、相手への迷惑や気遣いを考えずにポンポンと友達申請ボタンを押してしまいがちです。

それを承認するか否かの判断材料はただひとつ。「その人とネットで関わってもいいのか、いやなのか」という自分の気持ちだけです。

ちなみに、わたしの周りでは大半の人が上司からの友達申請をスルーしています。承認しないと、その人から目の敵にされてしまうかもと承認した人は少数派です。

上司が見ているかもという思いが頭の片隅にあれば、公開する前にいったん立ち止まることができるというメリットもありますが、ひとたび承認してしまうと、相手がfacebookに投稿したものを、あなたが見ているはずと先方は考えます。すると、「いいね」をしなければ感じが悪いかなとかコメントをしたほうがいいのかなとかを考えなければいけなくなり、ストレスを増すことに。であれば、最初から断ってしまったほうが手っ取り早いのではないでしょうか。

友達申請拒否を上手に告げるコツ

とはいえ、毎日会う上司。友達申請をスルーしていることが気になっていたらどうしよう……と不安だったり、あなた自身が気まずくなってしまったりするのなら、一刻も早く解決させてしまいましょう。

「友達申請ありがとうございます」とまずは感謝の言葉を告げ、「課長にお見せするような内容でないので……」と、語尾をもにゃもにゃしながら言い訳しましょう。「after6まで私の指導をさせては申し訳ありませんので……」とか、「まだ修行中なので、文章がうまくなったときぜひ……」など、仕事をからめて話すのもあり。いずれにしても、語尾はハッキリさぜず、濁すのがポイントです。また直接、facebookやってるの? と聞かれた場合には、「登録はしていますが、リアルな友達とのやりとりでメッセンジャーを使ってるだけなんですよー」と活発には利用していなことをやんわりつたえましょう。

部下同士で結託し、申し送りをしておくのも手

部下に気安くfacebookの友達申請をするような上司は、ほかの部下にも友達申請しているはずです。申請されちゃった人たちで、「あの人からの申請はみんなで受けない」など、作戦を立てましょう。誰かひとりでも友達申請を承認してしまうと「あの子は、承認してくれたのに、あの子は……」など、比較されてしまう場合も。それもまた面倒を引き起こしかねない状況です。

もし、冗談めかしにでも、「どうして承認しないんだよ」「勤務評価下げちゃうぞ」など、しつこく言われるようなら、過干渉や公私混同、さらにはストーカー、パワハラの疑いもあるので、人事部や相談窓口に相談するのもありかもしれません。



■賢人のまとめ
基本は既読スルーでよし。気まずいようだったら、「ありがとうございます、でもすみません」の気持ちを語尾を濁しながら告げましょう。しつこい場合は、人事部などへの相談も視野にいれて。

■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『もう必要以上に仕事しない!時短シンプル仕事術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部に迫るヒットとなる。 

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