血液型で違いが!? O型の人は認知障害になりにくいかも

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A型は几帳面、B型は変わり者……。誰もが一度は聞いたことがある、こうした血液型の性格分類。科学的な根拠に乏しいことが指摘されて久しく、日本やアジアの一部の国・地域を除いてはほとんど話題にならないそうだ。

このほど発表された、血液型による差についての意外な発見が注目を集めている。専門誌『Brain Research Bulletin』に掲載された英シェフィールド大学の研究チームによると、O型の人はそのほかの血液型に比べて脳のより大きな灰白質を持っていることが分かったという。いったいどういうことなのだろうか。

血液型が灰白質にみられる違いに影響

加齢は脳のサイズや認知作用に変化をもたらすことが知られている。個人差や生活環境の違いにも関わるが、人が年を重ねるごとに脳は縮み、分子から形態学まであらゆるレベルで変化するのだ。ニューロン(神経細胞)の細胞体が集まり、脳内の情報処理の中心的な役割を持っているとされる灰白質でも、同様の変化が見られるという。

この点について、シェフィールド大・神経科学部の研究員Matteo De Marco氏とAnnalena Venneri教授は新たに発表した論文で、灰白質にみられる違いや認知機能低下のリスクが、血液型によって影響されていると指摘。

O型の人はアルツハイマー病といった病気になりにくい可能性も

Venneri氏を中心とするチームは健康なボランティアから得た189例のMRI検査の結果を分析し、脳内に占める灰白質の容量の違いを調べたという。すると、O型の人は小脳にある灰白質が大きく、A型、B型、AB型の人は側頭葉や、大脳辺縁系にある灰白質の容積が小さいことが発見された。大脳辺縁系には、アルツハイマー病で最初の病変部位となる海馬も含まれている。

こうした結果は、小さな灰白質がO型以外の血液型と関連があることを指し示している。つまり年をとった際に一般的に見られる灰白質の縮小は、血液型の違いによって強められている可能性があるということだ。

DeMarco氏は、「この発見は、血液型がO型の人は、例えばアルツハイマー病のように、側頭葉などの萎縮が見られる病気に対してより保護されていることを示していると思われる」と話している。今後、生物学的なメカニズムの調査を含む、さらなるテストや研究が必要になるようだ。

まだまだ解明されていない謎の多い人体、とりわけ脳のメカニズム。さらなる研究の展開が楽しみだ。

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【参考・画像】

※http://www.sheffield.ac.uk/news/nr/blood-type-cognitive-disease-1.469296

※http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0361923015000805