知っておきたい現代社会の罠。なぜ「自分らしさ」を求めるほど人は孤独に陥ってしまうのか?
YouTubeチャンネル「著者が語る」が、「【磯野真穂が語る】「能力資本主義」が「自分らしさ」の追求を強め、人を孤独にする理由」を公開した。動画では、文化人類学者の磯野真穂氏が、メアリ・ダグラスの古典的著書『ナチュラル・シンボル』を手がかりに、現代社会の病理と人々の心理を読み解いている。
磯野氏はまず、「象徴(シンボル)」が人々を突き動かす力について言及。コロナ禍のマスク着用を例に挙げ、「マスクをしている人は道徳的な人」という象徴が明確に立ち上がり、社会全体がそれに強く同調した現象を振り返った。
続いてダグラスが提唱した「グリッド(序列・役割)」と「グループ(社会の枠組み)」という分析概念を紹介。能力が高く富を分配できる者が上に登れるビッグマン社会をベースに、現代社会を「強グリッドが過度に進んだ状態」であり、自身はそれを「能力資本主義」と呼んでいると語る。共同体などのグループが弱体化し、個人の能力だけで上を目指すことが強いられる結果、労働現場などで「人間のモノ化(属人性の排除)」が進んでいると指摘した。
さらに、そうした過酷な社会構造の反動として、抑圧的な古い秩序を破壊してユートピアを希求する「ミレニアリズム(千年王国運動)」や、外部から豊かな物資と救済がもたらされると信じる「カーゴ・カルト」と重なる現象が現代にも起きていると解説する。特定の強いリーダーを熱狂的に待望する動きは、まさにこのカーゴ・カルトとパラレルであると分析した。
磯野氏は、能力資本主義のもとで「社会の枠組みを壊し、自分らしさに価値を見出せば幸せになれる」という思想が広まっているものの、それがかえって終わりのない自己研鑽と競争を生み、人々を孤独に追いやっていると結論づける。古典の知見から現代人の生きづらさの根源を鋭く浮き彫りにする、知的好奇心を刺激する内容だ。
磯野氏はまず、「象徴(シンボル)」が人々を突き動かす力について言及。コロナ禍のマスク着用を例に挙げ、「マスクをしている人は道徳的な人」という象徴が明確に立ち上がり、社会全体がそれに強く同調した現象を振り返った。
続いてダグラスが提唱した「グリッド(序列・役割)」と「グループ(社会の枠組み)」という分析概念を紹介。能力が高く富を分配できる者が上に登れるビッグマン社会をベースに、現代社会を「強グリッドが過度に進んだ状態」であり、自身はそれを「能力資本主義」と呼んでいると語る。共同体などのグループが弱体化し、個人の能力だけで上を目指すことが強いられる結果、労働現場などで「人間のモノ化(属人性の排除)」が進んでいると指摘した。
さらに、そうした過酷な社会構造の反動として、抑圧的な古い秩序を破壊してユートピアを希求する「ミレニアリズム(千年王国運動)」や、外部から豊かな物資と救済がもたらされると信じる「カーゴ・カルト」と重なる現象が現代にも起きていると解説する。特定の強いリーダーを熱狂的に待望する動きは、まさにこのカーゴ・カルトとパラレルであると分析した。
磯野氏は、能力資本主義のもとで「社会の枠組みを壊し、自分らしさに価値を見出せば幸せになれる」という思想が広まっているものの、それがかえって終わりのない自己研鑽と競争を生み、人々を孤独に追いやっていると結論づける。古典の知見から現代人の生きづらさの根源を鋭く浮き彫りにする、知的好奇心を刺激する内容だ。
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