中国の地方政府が企業から資金を巻き上げているというニュースを目にすると、素朴な疑いが浮かぶ。強引な取り立てが横行しているのではないか、という不安である。実業家のマイキー佐野氏はこの話題を取り上げ、表面的な報道の裏に隠れた構造を丁寧に語っている。
 
佐野氏によれば、中国は半導体や人工知能、先端製造といった分野を国家戦略の中核に据え、資金と人材を集中的に投じてきた。その源流は建国直後の危機感にまでさかのぼり、外圧に対抗するために技術と資源を国家主導で結集させてきた歴史があるという。市場の論理を介さずに人材と資金を一気に振り向けた当時の手法が、現代の主要産業を支える仕組みの原型になっていると佐野氏は解説する。国が前面に出て育てる産業だからこそ、世界的にも存在感を強めているというのが佐野氏の主張である。
 
一方で地方都市では景気の落ち込みや雇用への不安が広がり、かつて企業誘致のために結ばれた税制優遇や補助金の取り決めが、中央の方針と食い違う形で積み重なっていたという。加えて、海外からの供給制限によって主要な技術分野で弱点を突かれた経緯もあり、国内で完結する供給体制づくりが急務とされてきた。地方が独自に進めてきた企業誘致の競争が、中央の描く戦略と少しずつずれていった過程を、佐野氏は具体的に描いていく。こうした地方と中央の間に生まれた歪みを正す動きこそが、今回の資金回収と呼ばれる出来事の正体だと佐野氏は指摘する。
 
取引先の申告や資金の流れ、口座の動きまでをAIとビッグデータで横断的に照合する仕組みが整えられ、実態のない優遇措置や不透明な資金の動きが次々と洗い出されているという話も続く。さらに、企業の株式売却をめぐる納税先のルールが変更された経緯についても語られており、どの地域でどのように資金が動いてきたのかという率直な問いに、佐野氏なりの見立てが幾重にも重ねられていく。
 
締め付けに映る一連の動きの奥で、地方と中央がどうせめぎ合ってきたのか、その先にある答えの輪郭だけがうっすらと示される。中国経済の先行きを見極めたい人にとって、視点が整理される内容だ。

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マイキー佐野です 経済・金融・投資・経営・最新の研究やニュースなど 様々なテーマについて、ズバズバ切り込んで話していきます~ 2021年より最新の学術理論、経営学、経済学、社会学を紹介するYouTube「マイキーの非道徳な社会学」を開始 現在はアカデミズム関係者・経営者・投資家・学生が参加するビジネススクールも運営