日本のビジネス系YouTubeを見ていて、内容の薄さに物足りなさを覚えたことがある人は少なくないはずだ。登録者数や再生数といった数字ばかりが評価基準になり、肝心の情報の質が置き去りにされてはいないだろうか。

実業家のマイキー佐野氏の動画に、YouTube制作を担当する会社の関係者が久々に登場し、率直な意見交換が行われた。話題の中心となったのは、視聴者のニーズに合わせる「マーケットイン」的な発想と、発信者側の視点を軸にする「プロダクトアウト」的な発想の違いである。佐野氏は後者を重視する立場から、登録者数や再生数を追うよりも、届く相手の質を高めることの方が結果につながりやすいと語った。

実際に助言を行った事例では、発信のやり方を切り替え、登録者数の伸びを追わない方針へ転換した後に成果が向上したという話が紹介された。あわせて、海外の経営層や金融関係者からの反応が国内よりも目立つ一方、いわゆる話題性だけを追う層からの反応は少ないという、意外な傾向にも触れられていた。

話題は動画制作の体制にも及んだ。時事性の高い題材を扱う以上、撮影から公開までの間にタイムラグが生じることは避けがたい課題だという。ため撮りした素材をただ順番に出すのではなく、反応を見ながら組み替えられる仕組みが理想だと述べられていた。海外では、映像制作の現場に技術を積極的に取り入れ、限られた人手でも高い生産性を保っている例があるとされ、佐野氏はその発想の違いに着目していた。人を増やすことと成果を伸ばすことは、必ずしも同じ方向を向かないという指摘も印象的だった。

さらに話は海外展開の視点にも広がった。国内市場だけを前提にした発想と、最初から海外を見据えた設計とでは、費用対効果に大きな差が出るという実例が挙げられた。日本のビジネス系動画の多くが国内の成功例ばかりを参照している現状にも言及があった。

流行している事象をそのまま真似るのではなく、なぜ成功し、なぜ失敗したのかという背景まで踏み込んで比較する視点の重要性が語られた。海外の実務家とのつながりを日々の情報収集に生かしてきた佐野氏ならではの分析軸が、随所に垣間見えた。独自のネットワークをどのように築いていくかを考えている人にとって、参考になる点が多い。

チャンネル情報

マイキー佐野です 経済・金融・投資・経営・最新の研究やニュースなど 様々なテーマについて、ズバズバ切り込んで話していきます~ 2021年より最新の学術理論、経営学、経済学、社会学を紹介するYouTube「マイキーの非道徳な社会学」を開始 現在はアカデミズム関係者・経営者・投資家・学生が参加するビジネススクールも運営