実業家のマイキー佐野氏が、YouTubeにて日経平均株価と生活実感の間に生じているズレをテーマにした動画を公開した。日経平均が最高値を更新したというニュースが相次ぐ一方で、暮らしが豊かになった実感を持てない人も少なくない。株価指数の動きと日々の生活感覚がなぜこれほどまでに離れてしまうのか、動画ではその温度差の正体を、指数そのものの仕組みという切り口から丁寧に描き出している。
 
佐野氏はまず、日経平均とTOPIXという二つの代表的な指数のあいだで、伸び率に無視できないほどの開きが生じている点に着目した。両者は計算方法そのものが根本的に異なり、日経平均は構成銘柄一株あたりの価格の高さに強く左右される仕組みであるのに対し、TOPIXは市場全体の時価総額を映し出す仕組みだ。そのため、株価の高い一部の主力銘柄が値を上げるだけで、日経平均は市場全体の実態以上に大きく跳ね上がりやすい性質を持つ。実際にこの二つの指数の伸び率には、数倍規模の差が生まれているという。
 
動画内ではこの違いを、値動きの性質が異なる複数の企業を用いたシミュレーションによって具体的に明らかにした。株価の高い銘柄が急騰した場合、市場全体を映す指数としての伸びと日経平均としての伸びのあいだには、看過できないほどの差が生じるとわかる。さらに、海外の短期筋や機関投資家による先物取引と、そこから生じるアービトラージの仕組みが、値がさ株への資金集中をいっそう強める要因になっていると解説した。こうした売買が繰り返されることで、指数の見た目の強さと市場全体の実感との溝がさらに広がっていく構造も語られている。
 
日経平均の上昇が、必ずしも日本経済全体の成長を意味するわけではないという指摘は、株価報道の受け止め方そのものを問い直すきっかけだ。特定の産業に資金が集まっているだけなのか、それとも経済全体が底上げされているのかを見極めるには、二つの指数をあわせて見る視点が欠かせないとの話も出てくる。日々のニュースで日経平均の動きを目にする人にとって、指数の裏側にある構造を知ることは、株高と実感の乖離を考えるうえで参考になる点が多い。

チャンネル情報

マイキー佐野です 経済・金融・投資・経営・最新の研究やニュースなど 様々なテーマについて、ズバズバ切り込んで話していきます~ 2021年より最新の学術理論、経営学、経済学、社会学を紹介するYouTube「マイキーの非道徳な社会学」を開始 現在はアカデミズム関係者・経営者・投資家・学生が参加するビジネススクールも運営