「つらいです」 「不安です」 「どうなるか心配でたまりません」 「死のうかなと思うて、ええ、何度も泣きました……」 まさかこんな言葉を認知症の人から聞くとは思いもよらなかった。 普段、私たちは他者を評価するとき、無意識に自分と同じ「健康」な人を基準に判断している。それは認知症の人に対しても同じで、相手に声をかけて返事がなければ、「ああ、この人は何を言っても分からなくなった」と判断して話しかける