『高峰秀子の引き出し』(斎藤 明美) 生きていたら、高峰は百歳になる。 それが今年、二〇二四年である。 各方面にご協力をお願いしながら、片手にも足りない数のメンバーで会議をし、手紙を書き、メールを送り、挨拶に回り、打合せし、ポスターやチラシを作り……様々な記念事業を計画準備して、今年を迎えた。 だが、しかしである。 高峰は喜んでいない。それどころか、怒っていると思う。