その記録は、神戸市内に確かに存在していた。12年前までは。神戸連続児童殺傷事件を起こした少年Aに関する審判記録が廃棄され、遺族の土師守さん(67)は「記録を見られる日が来るかもしれないという淡い期待をも破られた」と明かした。1997年当時、被害者が少年にまつわる情報を得るには、メディアしかなかった。事件の当事者である被害者や遺族に、知る権利を-。土師さんらが署名活動などを通して訴え、記録の閲覧や審判の傍聴を